山下洋輔トリオとはまた違う、重い重いフリージャズ。
これもあの時代の日本ジャズの一面なのだ。
フリージャズにありがちな中弛みなんか一切ない。聴いている側も集中していないと、パワーに気押されてしまう。
フリーに「構成」という言葉が当てはまるとは思わないが、ここぞという場面で吉沢さんのベースが唸り始め、重い旋律がテナーと重なる。
これこそがインタープレイなのだ。
高木さんはテナー、ソプラノ、バスクラと持ち替えるが、"Lonely Woman"のソプラノの音色といったら・・・。こんな音が吹ける人は他にいないだろう。
この手の音楽だと、どうしてもサックスの絶叫に耳がいってしまう。
ここでも高木さんの唸り声と楽器の音が半々くらいになったりして凄まじいのだが、サブトーンで吹いたときにすごくいい音が出てくる。サックス吹きとしてはこういうところを聴き逃したくない。
と思っていると、バスクラの後ろでベースがふっと消え、フルートと思しき鋭い音が刺さってくる。二人だけの演奏・・・ってことは吉沢さんがフルートを吹いているのか!?と気がついたときはちょっと嬉しかった。
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