誰にでもバラードが聴きたくなるときがある。仕事の帰り道、恋人と別れたとき、飲み会の途中にトイレで爆睡してしまった時etc・・・。
というわけで、今回はサックスのバラード名盤を探してみよう。
Phil Woods『Warm Woods』2曲目の「Easy Living」は多くのプレイヤーが演奏しているスタンダードナンバーだが、中でもこれは別格の名演である。「アルト奏者は必ず聴かなければならない!」と叫びたくもなる。
一発録りのアドリブでどうやったらこんなメロディックなフレーズが作れるのか・・・。素晴らしいの一言に尽きる。
他にも「In Your Own Sweet Way」や「Squire’s Parlor」など、名演いっぱい。完成度が極めて高いアルバムである。
Steve Grossman 『Bouncing With Mr. A.T.』何はともあれ聴くべきは「Soul Train」だろう。本家コルトレーンを超える演奏であると思う。カデンツァのようなソロ以外は曲中ではメロディーを淡々と吹くのみでアドリブをほとんどとらないところが憎い!柔らかいが密度の濃い音で、一音一音をすごく丁寧に吹いている(と思われる)。
男は黙ってグロスマン。これである。
Gene Ammons 『Good Bye』
ボステナーの異名をとる名手アモンズの遺作。図らずもGood Byeという題がついてしまったのは偶然であろうか。
本来書くべきは表題曲なんだろうが、ここではあえて2曲目。
なんとポップスの名曲
「Alone Again」
をやっているのだ!
クレジットだけ読むと、ここでギルバート・オサリバンかよ!!と叫びたくなるが、誰もが口ずさむメロディーもアモンズの手にかかるとこんなネチネチとしたジャズに仕上がってしまう。
クサさ丸出しの演奏でもアモンズが吹くと不思議とかっこいいのである。74年死去。
David Murray 『Lovers』
そのものズバリ、バラードばっかやってるアルバム。
フリージャズのおっさんだからといってブギョブギョやってるだけと思ったら大間違い。とりあえず「In A Sentimental Mood」から聴いとこう。出だしの一音目から「おおおおーっ!」となること請け合い。私が女だったら間違いなく惚れている。
Hamiet Bluiett 『With Eyes Wide Open』
私が3度の飯より好きなバリトン奏者。この人もフリーやロフトで有名なのだが、なにしろ音が太いもんだから特にスローな曲では圧倒的に強い。2曲目の「Sing Me A Song Everlasting」のメロディーは一度聴いたら忘れられない。やはり低音楽器はバラードが似合う!
なんというか、どれも名盤ばっかでマニアックさが足りなかったか・・・。まあ今回は入門編ということで夜露死苦!
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