あけましておめでとうございます。
新しい年の始まりとともに、一旦リセットして初心に戻ってみようかと。というわけで、新年一発目は「音」について。
音は個性である。ゆえに、絶対的なただひとつの答えはない。
クラシックの世界ではパーカーの音は好まれないだろうし、例えばフリージャズではわざとヘロヘロの音を出したりすることだってある。
極論をいえば何だっていいのだ。
金属的なバキバキ系だろうが、木管的なやわらかい音だろうが、どうだっていいのである。
ただ、一応の答えというか、
よい音のストライクゾーン
のようなものはあると思う。それは「楽器が鳴ること」と「説得力のある音」の2点に集約される。
※ここからの具体的な話については、私個人の独学によるものではなく、レッスンで教えられた内容の一部抜粋、つまり受け売りである。また、音質等については私の好みが多分に反映されているので、その点ご了承いただきたい。
① 楽器が鳴ること
音を改善するにはアンブッシュアが極めて重要だが、これについては回を改める。
楽器を鳴らす上で重要な他の要素としては、息の量とスピードがあると思う。
楽器というものは一定量以上の息を吹きこまなければ鳴らない。そこで、第1ステップでは息をたくさん入れることに体を慣らすことが重要である。
しかし、息の量を多くするだけではコントロールが利かない。むやみやたらに鳴らそうとすると、いわゆるオーバーブローの状態になってしまうこともある。この傾向は独学で楽器を始めた人に多く、私は今でも悩まされている。
というわけで、第2ステップでは、息のスピードを速めることを考える。
具体的には、マウスピースのボアの中心を、
針の穴を通すようなイメージ
で細く狙ってみる。
この練習を繰り返すことで、楽器を鳴らしつつ余裕を持って演奏することができるようになるはずである。
デイブ・リーブマンの教本。
楽器と身体のコントロールに関しては最も勉強になる本だ。
② 説得力のある音
科学的に分析したわけではないが、音には「重心」のようなものがあると思う。つまり、高音域、低音域どちらの倍音が多く含まれるかという違いである。
そして、低音域の倍音が多く含まれるほうが、倍音の範囲(レンジとでもいうのか)が広がり、結果的に豊かな響きを持つ説得力のある音に近づくのではないかと考えられる。
ここでも当然のごとくアンブシュアが大きく影響するが、
息の方向
も重要なポイントである。
具体的には、リードに直接息をぶつけるように吹くのである。垂直に真下に「吹き下げる」イメージがかなり重要らしい。
ためしに、下あごを突き出すようにして(本来は絶対にやるべきでないが)マウスピースの上部に向かって吹き上げるようにして音を出してみよう。
前者と比べて、何か重心が上にあるような、薄っぺらな音が出てはいないだろうか。
音の重心はあくまで低く!
これはジャズ・サックスにおいては
音の基本がサブトーン
であるということとも無関係ではあるまい。これについては佐藤達也氏もどこぞの雑誌に書いていた記憶がある。
サブトーンについてはここでは省略するが、より低音域を強調する方向に説得力ある音の答えがあるのでは、と考えている(というか、そう教えられている)。
以上の内容は、基本的にすべてのサックスに共通して言えることである。
サブトーンといえば、ベン・ウェブスターは外せないだろう。
楽器が鳴っていると通り越して、ほとんど息の音しか聴こえない(笑)。
繰り返すが、いい音を出すための答えはひとつではない。また、複数の要素が互いに影響し合っており、どこかを改善すればそれで完成というわけにはいかない。
ここに書いたことが正しいか間違っているかは実際に試してみたあと、皆様自身の感覚で判断していただきたい。
※かなり偉そうなことを書いてしまいましたが、「じゃあやってみろ」といわれても困っちゃいます・・・。
毎回レッスンではツッコまれまくってるし。実践してやろうという方はちゃんとした講師の先生に金を払って習いましょう!
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