これまでアルトだけを吹いてきたが、学校から勝手に拝借した楽器でステージに立ったときからバリトンの魅力に取り付かれた。しかし、この楽器は特に初心者からは敬遠されがちである。それには以下の理由が考えられる。
・ まず、姿が異様。やたらとグネグネ曲がった管体がグロテスク。
・ やたらでかい。しかも重い。
・ 低音しか出ない。=サンボーンとかをイメージしている新入生にとっては期待はずれ以外の何ものでもない。
こんなところだろう。
しかし、ファンクバンドで、コンボで、ビッグバンドで、ひとたびバリトンを思い切り吹いたなら、病み付きになること請け合いである。というか、
かっこいいと思わない人に用はないのである。
ステファン・クプカ
とりあえずわかりやすいとこから行くとして、まずはTower Of Powerだろう。
これを持ってないというのはすごくまずい!!今すぐ買うべき名盤ぞろいだ。
ファンクでバリトンといえばTOP、クプカ様をおいて他になし!
ジェリー・マリガン
ジャズで聴くなら、マリガンは外せないだろう。この人がいなかったら、バリトンサックスがソロ楽器としてここまでの地位を確立することはなかっただろう、というほどの偉人である。重い楽器をまるでテナーのように軽快に操り、音は柔らかい。俺の好きなパワー系とは正反対だが、初めて『Night Lights』を聴いたときは衝撃だった。
ハリー・カーネイ
ビッグバンドでのバリトンを語る上での最重要人物といえばエリントン楽団のハリー・カーネイをおいて他になし。
エリントンが亡くなるまで一度も5番の席を明け渡すことのなかったおっさんで「番頭」なんて呼ばれたりもした。「尊敬するバリトン奏者は誰?」との問いに対し、現役で活動する数多のプロバリトン奏者の実に8割以上がハリー・カーネイの名をあげるという(帝国データバンク調べ)。
そこの君!「ハリー・カーネイ知らない」じゃすまされんぞ!!
※『Moods For Girl And Boy』ではストリングスをバックに朗々と吹き上げており、エリントンバンドとは一味違ったカーネイを聴くことができる。俺はわりと好き。
ペッパー・アダムス
なんだか公務員みたいな顔だが、強靭な音を出すペッパー・アダムス。
彼がスタン・ケントン楽団を辞めた直後、ケントンは穴埋めのために2人のバリトンを雇っていたという逸話が残るほどである。パワー系プレイヤーが好きなら避けては通れない!!聴くべし。
レオ・パーカー
レオ・パーカーはR&Bやゴスペルのにおいがプンプンするバリトンである。テクニックではペッパー・アダムスのほうが一枚上手という印象だが、ニヤリとさせられるフレーズが満載で、聴いていて実に心地よい。しかもソロでは大暴れすることもしばしば。極めていい感じである。
サージ・チャロフ
チャーリー・パーカーの影響をもっとも受けたバリトンといえばサージ・チャーロフだろう。ウディ・ハーマンで有名なFour Brothersのバリトンはこの人が吹いている。バンドでこの曲をやるならチャーロフになりきってひたすらコピーせよ!これを読んだ以上、やるしかねぇぞ!
ソロでも何枚かアルバムを出しているが、俺は『Boston Blow Up』のBody And Soulが好きだ。
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サージ・チャロフ/Blue Serge
ここまで書いてみたんだが、疲れた。
次回に続くということで勘弁してくれ。
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