以前、「ホンカーはテナーしかいない」というようなことを書いたが、この人を忘れてはいけない。
最強のパーティー男、ルイ・ジョーダンである。
↑とにかく楽しそう。たまらん。
1940年代から活躍したサックス奏者兼ヴォーカリスト。
ソニー・ロリンズが最初に憧れたプレイヤーであり、ブライアン・セッツァーは生涯の愛聴盤としてコレを挙げたという。
曲調はブルース、ジャンプ&ジャイヴにブギウギ。
まさに「ドカドカうるさいロックンロール・バンド」なのである。
このアルバムではほぼ全曲ルイ・ジョーダンのヴォーカルがメインでサックス専門ではないのだが、イントロ等に急に出てくるアルトサックスはグロウルしまくる。
そもそもジョーダンが自分のバンドを結成したきっかけは
「ビッグバンドに負けないパワーを少人数でやってやれ」
というものだったそうだから、これでもかのグロウルもうなずける笑。
"I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town"のイントロのソロなんかもう最高。ブルースのサックスかくあるべきという具合のベタベタなフレーズがハマリまくる。
さて、余談だがグロウル奏法についてちょこっと書いてみよう。
ご存知の方も多いと思うが、サックスを「ウ~」と唸り声を出しながら吹く。
そうすると、サックス本来の音に「ギョエー」とか「ギュイーン」とか、そういった音の成分が混ざって、ホンカーお得意の「あの音」が出せるのだ。
※これはフラジオで使う「ファズ・トーン」とはまったく別モノ。
ソロのここぞという場面で使うと効果的なわけだが、実はこの奏法は結構むずかしいのだ。
まず、低音域の倍音にグロウルがかからないと、ただやたらとうるさい耳障りな音になってしまう。
これは先生の受け売りだが、息を下に吹き下げて、音の重心を下にもっていかないとギャーギャーいってるだけになる。
これはなかなか悲惨だ。
さらに、唸ろうとするとどうしても喉や口に力が入ってしまう。
サブトーンや倍音の練習を繰り返し、アンブシュアをリラックスさせた状態でやらないといかんわけだ。
ホンカーがバカみたいにギャーギャーやってるから簡単かと思いきや、むずかしそうでしょ?
しまった、余談で終わってしまった・・・。
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ブッカー・アーヴィン/"The Trance"
失礼を承知で申し上げるなら、「半端なテナー」というのがブッカー・アーヴィンに対する私の印象である。
テキサス出身で、タフ・テナーと呼ばれたりもするらしいが、私から言わせればブッカーの音はタフ・テナー(所為テキサス・テナー)のそれとはまるで別物だ。
名盤とされる"The Song Book"を聴くと、泥臭くささくれたような音色は素晴らしいし、フレーズも参考になる。が、どうも印象に残らないのであった。
さて、今回ご紹介するのは"The Trance"。
1965年、ヨーロッパ(どこだかは忘れた)での録音である。
わかりやすいんだか難解なんだかよくわからないレコードだが、なぜかこれは好きなのであった。
表題曲"The Trance"はモーダルなナンバー。
ジャッキー・バイアードのピアノが怪しいイントロを引き、中近東的な音階をはさむ怪しいメロディーが続く。
ブリブリ吹きまくるブッカーとは違った印象で、モード独特の緊張感が出ている。
ただし、1曲19分。このテンションで19分では冗長な感は否めない。
もう少し緩急がつけられればと思ってしまう。ベタな発想ではあるが。
そして、スタンダード"Speak Low”。
綺麗なメロディーがだんだん雲行きが怪しくなっていき、聴き手を不安にさせる変な曲に聴こえて来るわけだが、なぜかまた聴きたくなってしまう。
ヨーロッパという、フリー・ジャズにも寛容な風土の影響なのか、実験的試みがある作品だ。
そのものズバリのハード・バップでもなければフリーでもない。
大部分のリスナーには受けないだろうが、
ジャケット通りにそこはかとなく怪しいこの一枚、
たしかにイマイチではあるが、聴いてみるとこれまたおもしろいのである。
テキサス出身で、タフ・テナーと呼ばれたりもするらしいが、私から言わせればブッカーの音はタフ・テナー(所為テキサス・テナー)のそれとはまるで別物だ。
名盤とされる"The Song Book"を聴くと、泥臭くささくれたような音色は素晴らしいし、フレーズも参考になる。が、どうも印象に残らないのであった。
さて、今回ご紹介するのは"The Trance"。
1965年、ヨーロッパ(どこだかは忘れた)での録音である。
わかりやすいんだか難解なんだかよくわからないレコードだが、なぜかこれは好きなのであった。
表題曲"The Trance"はモーダルなナンバー。
ジャッキー・バイアードのピアノが怪しいイントロを引き、中近東的な音階をはさむ怪しいメロディーが続く。
ブリブリ吹きまくるブッカーとは違った印象で、モード独特の緊張感が出ている。
ただし、1曲19分。このテンションで19分では冗長な感は否めない。
もう少し緩急がつけられればと思ってしまう。ベタな発想ではあるが。
そして、スタンダード"Speak Low”。
綺麗なメロディーがだんだん雲行きが怪しくなっていき、聴き手を不安にさせる変な曲に聴こえて来るわけだが、なぜかまた聴きたくなってしまう。
ヨーロッパという、フリー・ジャズにも寛容な風土の影響なのか、実験的試みがある作品だ。
そのものズバリのハード・バップでもなければフリーでもない。
大部分のリスナーには受けないだろうが、
ジャケット通りにそこはかとなく怪しいこの一枚、
たしかにイマイチではあるが、聴いてみるとこれまたおもしろいのである。
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