2011年7月11日月曜日

ルイ・ジョーダン/"Rock Doc! ~On Mercury 1956,57~"

以前、「ホンカーはテナーしかいない」というようなことを書いたが、この人を忘れてはいけない。

最強のパーティー男、ルイ・ジョーダンである。




↑とにかく楽しそう。たまらん。


1940年代から活躍したサックス奏者兼ヴォーカリスト。
ソニー・ロリンズが最初に憧れたプレイヤーであり、ブライアン・セッツァーは生涯の愛聴盤としてコレを挙げたという。

曲調はブルース、ジャンプ&ジャイヴにブギウギ。
まさに「ドカドカうるさいロックンロール・バンド」なのである。

このアルバムではほぼ全曲ルイ・ジョーダンのヴォーカルがメインでサックス専門ではないのだが、イントロ等に急に出てくるアルトサックスはグロウルしまくる。


そもそもジョーダンが自分のバンドを結成したきっかけは

「ビッグバンドに負けないパワーを少人数でやってやれ」
というものだったそうだから、これでもかのグロウルもうなずける笑。
"I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town"のイントロのソロなんかもう最高。ブルースのサックスかくあるべきという具合のベタベタなフレーズがハマリまくる。




さて、余談だがグロウル奏法についてちょこっと書いてみよう。

ご存知の方も多いと思うが、サックスを「ウ~」と唸り声を出しながら吹く。
そうすると、サックス本来の音に「ギョエー」とか「ギュイーン」とか、そういった音の成分が混ざって、ホンカーお得意の「あの音」が出せるのだ。

※これはフラジオで使う「ファズ・トーン」とはまったく別モノ。

ソロのここぞという場面で使うと効果的なわけだが、実はこの奏法は結構むずかしいのだ。

まず、低音域の倍音にグロウルがかからないと、ただやたらとうるさい耳障りな音になってしまう。
これは先生の受け売りだが、息を下に吹き下げて、音の重心を下にもっていかないとギャーギャーいってるだけになる。
これはなかなか悲惨だ。


さらに、唸ろうとするとどうしても喉や口に力が入ってしまう。
サブトーンや倍音の練習を繰り返し、アンブシュアをリラックスさせた状態でやらないといかんわけだ。

ホンカーがバカみたいにギャーギャーやってるから簡単かと思いきや、むずかしそうでしょ?



しまった、余談で終わってしまった・・・。


関連記事
なぜホンカーはテナーばかりなのか?
イリノイ・ジャケー/"Jumpin’ at Apollo”
下品でナンボ!ホンカー特集

0 件のコメント: