ジャズファンの間では、J.R.モンテローズは初心者を寄せ付けない、マニア好みのテナーとされているらしい。
寺島靖国さん曰く、「日陰者のテナー」。
たしかに、言い得て妙だ。
ハードバップ時代のプレイヤーだが、ぶつ切りにしたようなフレージングは流暢とは言い難い。
これといった華があるようにも思わんし、
「だったらロリンズ聴けばいいだろが。」という声が聞こえてきそうである。
しかしそれでもなお、確実にモンテローズファンがいるのは、やはり「音」だろう。
ちょっと掠れたような、サブトーン満載の太い低音。
高音域はアクセントをはっきりつけるブツ切りサウンド(モンテローズ節)も手伝って、ともすればマクリーンのアルトのように聞こえる時さえある。
これがモンテ中毒の秘密なのかもしれん・・・。
“Straight Ahead”
※『ザ・メッセージ』は再発されたタイトルなので内容は同じだよ。
“Violets For Your Furs”(コートにすみれを)の名演で有名な68年録音盤。
サブトーン全開の”I Remember Clifford”に、これぞハードバップと言うべき”Short Bridge”。
ブルーノート盤が一般的に人気らしいが、
私はコレが一番モンテローズらしさが出ていると思う。
たまにはこういう激渋なのも聴いてみると新鮮だなぁと・・・。
しかし、たかがCDがなんでこんなに高いのか。わけがわからん。
これじゃ誰も買わんだろうに。
■Musicians
J.R.Monterose (ts)
Tommy Flanagan (p)
Jimmy Garrison (b)
Pete La Roca (ds)
☆それでは次回をお楽しみに☆
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