ハッタリと言われようが、フレーズがない(?)と言われようが、渋さを知らないと言われようが、スゴイ音楽をやりたかったのだ。」
(”Ninety-Nine”ライナーノーツより抜粋)
片山さんの演奏をライブで見たことがある。本当に「スゴイ」音だった。
数ミリの幅しかないマウスピースとリードの隙間に全力で息をぶち込むような、凄まじいステージであった。
本作は1987年に『ドライ・シェリー』としてLPで発売されたものの復刻盤である。
このLPは数百枚しか発表されなかったもので、都内各所のディスクユ?オンで探し回ったが結局見つからなかったっけ。
テナーに、ベース、ドラムのトリオによる演奏。たった3人でこんなに音が分厚くなるものなのか。
私は何しろ1曲目が好きだ。超スタンダードの”My One And Only Love”。
8分の3拍子で演るにも関わらず、その音はまさにジャズ。4ビートしか認めないなどとほざく奴は引っ込んでおれと。
この1曲目を聴くと、「ああ、この人はメロディーメーカーなんだ。」と思う。
獣の咆哮の如き野性味あふれるテナーにそこはかとなく感じる哀愁は一体何なのか。
リズムセクションはこれでもかという重さ。
外タレの猿真似ではない、80年代日本ジャズの隠れ名盤と思う。
■Musicians
片山広明(Ts)
早川岳晴(B)
つの犬(Ds)
■Songs
1,My One And Only Love
2,Time Manager
3,504
4,99
5,An Emotion
6,Dry?Drei?
7,Good Bye Pork Pie Hat
8,Bye Bye
ちなみに
片山さんは酒飲みで有名である。
リハでもレコーディングでもちびちびやりながらだそうである。
某ライブハウスのスタッフは片山さんの体調を気遣って、ほとんど焼酎の入っていないウーロンハイを出すらしい(あ、これ片山さん読んだら怒るかな・・・。)
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