2008年2月17日日曜日

下品でナンボ!ホンカー特集

「ホンカーって、あれでしょ?ブリブリブギョーみたいなの。ああいうのはキライ。」なんてことぬかしてジャズファン気取ってるOL連中に喝!

というわけで、今回はホンカーについて。



ビッグ・ジェイ:「ほれほれ~、ブギョ~」


白人の客:「はうあ~!やめれ~!」







実はホンカーという言葉は結構マイナーで、タフ・テナーもしくはテキサス・テナーなんて呼び方が多かったりする。

彼らの共通項としては、「グロウル奏法」というのがある。
「う~」と唸りながら楽器を吹くことで、「ブキャー」とか「ギョエー」とかいう音が出るのである。どこの誰が始めたのかわからんが、とりあえず40年代に発生したらしい。

イリノイ・ジャケーは「レスター・ヤングに習ったよ。」と言っていたらしいが、真偽のほどは不明。



で、どんなやつがいるのかというと、

とりあえずビッグ・ジェイ・マクニーリーは必聴だ!
ホンカーといえばまずこの人!演奏の凄さは言うに及ばず、その他で変なエピソードがたくさんあるので、紹介してみる。


<立って吹かない>
昔のライブの写真を見ると、ちゃんと立って吹いていないものの方が多い。
ステージに寝転がってモゾモゾ動いてみたり、ウンチングスタイルで吹いてみたり、バーカウンターの上を歩いたりしている。
ちなみにホンカーはバー・ウォーカー(Bar Walker)なんて呼ばれることもあるが、語源はここら辺から来てるのかもしれん。








<曲が長い>
1曲1時間なんてのはよくあったらしい。まあ、この手の音楽は今でいうところのクラブカルチャーみたいなものだったかもしれんし、客も聴きに来るというよりは踊りに来る感じであったろうと思う。しかし、1時間てのはなぁ・・・。

ひどいときはドラムのソロをとらせている間に楽屋に戻り、弁当を食っていたらしい。で、ようやくステージに戻ってみたら、客は疲れ果ててみんな帰ってたとか。


<蛍光サックス(?)>蛍光塗料をサックス本体に塗りたくり、白い手袋をはめる。で、ソロをとりながら暗いステージに出てくると、光るサックスが宙に浮いているように見えるというわけ。


客は狂喜した(?)だろうが、楽器に変なもの塗るなよ!もう!







<演奏してるとパクられる>
ライブ中にノリノリになって客席を練り歩きながらソロを吹いていたところ、そのまま外に出てしまい、戻ればいいのにそのまま道端で吹きまくってたら警察にパクられてしまった。


とまあ、とにかく色んな意味で凄い人なのだ。
サックス、特にテナーやってる人は聴かなくてはならないぞ!


ここまで書いたら疲れてしまった。その他のホンカーも紹介しようと思ったのに・・・。
とりあえず今日はここまで!

☆次回をお楽しみに☆


2008年2月10日日曜日

バリトンサックス垂れ流し

これまでアルトだけを吹いてきたが、学校から勝手に拝借した楽器でステージに立ったときからバリトンの魅力に取り付かれた。しかし、この楽器は特に初心者からは敬遠されがちである。それには以下の理由が考えられる。

・ まず、姿が異様。やたらとグネグネ曲がった管体がグロテスク。
・ やたらでかい。しかも重い。
・ 低音しか出ない。=サンボーンとかをイメージしている新入生にとっては期待はずれ以外の何ものでもない。

こんなところだろう。
しかし、ファンクバンドで、コンボで、ビッグバンドで、ひとたびバリトンを思い切り吹いたなら、病み付きになること請け合いである。というか、
かっこいいと思わない人に用はないのである


ステファン・クプカ

とりあえずわかりやすいとこから行くとして、まずはTower Of Powerだろう。
これを持ってないというのはすごくまずい!!今すぐ買うべき名盤ぞろいだ。
ファンクでバリトンといえばTOP、クプカ様をおいて他になし!


ジェリー・マリガン

ジャズで聴くなら、マリガンは外せないだろう。この人がいなかったら、バリトンサックスがソロ楽器としてここまでの地位を確立することはなかっただろう、というほどの偉人である。重い楽器をまるでテナーのように軽快に操り、音は柔らかい。俺の好きなパワー系とは正反対だが、初めて『Night Lights』を聴いたときは衝撃だった。



ハリー・カーネイ

ビッグバンドでのバリトンを語る上での最重要人物といえばエリントン楽団のハリー・カーネイをおいて他になし。
エリントンが亡くなるまで一度も5番の席を明け渡すことのなかったおっさんで「番頭」なんて呼ばれたりもした。「尊敬するバリトン奏者は誰?」との問いに対し、現役で活動する数多のプロバリトン奏者の実に8割以上がハリー・カーネイの名をあげるという(帝国データバンク調べ)。
そこの君!「ハリー・カーネイ知らない」じゃすまされんぞ!!

※『Moods For Girl And Boy』ではストリングスをバックに朗々と吹き上げており、エリントンバンドとは一味違ったカーネイを聴くことができる。俺はわりと好き。




ペッパー・アダムス

なんだか公務員みたいな顔だが、強靭な音を出すペッパー・アダムス。
彼がスタン・ケントン楽団を辞めた直後、ケントンは穴埋めのために2人のバリトンを雇っていたという逸話が残るほどである。パワー系プレイヤーが好きなら避けては通れない!!聴くべし。



レオ・パーカー

レオ・パーカーはR&Bやゴスペルのにおいがプンプンするバリトンである。テクニックではペッパー・アダムスのほうが一枚上手という印象だが、ニヤリとさせられるフレーズが満載で、聴いていて実に心地よい。しかもソロでは大暴れすることもしばしば。極めていい感じである。


サージ・チャロフ

チャーリー・パーカーの影響をもっとも受けたバリトンといえばサージ・チャーロフだろう。ウディ・ハーマンで有名なFour Brothersのバリトンはこの人が吹いている。バンドでこの曲をやるならチャーロフになりきってひたすらコピーせよ!これを読んだ以上、やるしかねぇぞ!
ソロでも何枚かアルバムを出しているが、俺は『Boston Blow Up』のBody And Soulが好きだ。


<関連記事はコチラ>
サージ・チャロフ/Blue Serge


ここまで書いてみたんだが、疲れた。
次回に続くということで勘弁してくれ。