2011年10月8日土曜日
フレディ・レッド / "Shades Of Redd"
不出世のピアニスト、フレディ・レッドによる玄人好みな名盤である。
ジャッキー・マクリーン(As)
ティナ・ブルックス(Ts)
の2管がフロントという珍しい編成。
2管にテーマを吹かせるといっても途中からパート分けしており、楽器の音域を上手く使った仕掛けがなされている。
ハードバップ期の録音だが、どこか影を感じさせる雰囲気がいかにもレッドらしい。
1曲目"Thespian"、冒頭の2管による幻想的なテーマで「このアルバムはアタリだ」と確信させるものがある。
ブルックスの音の美しさが際立って聴こえるバラッド"Just A Ballad For My Baby"、エキゾチックなメロディが哀愁を誘う"Ole"。
こういう曲を聴くと、フレディ・レッドはメロディ・メイカーとして際立った才能を持っていたのだろうと思う。
レッドが残した作品は決して多くないが、その中でこの"Shades Of Redd"はアルバムとしてのまとまりもことさら素晴らしい。
ぜひ聴いていただきたい一枚だ。
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Tina Brooks /"Back To The Tracks"
アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ/"A Night In Tunisia"
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2011年6月27日月曜日
ティナ・ブルックス/"Back To The Tracks"
火花の出るようなバップやフリー・ジャズもいいが、薄暗いジャズ喫茶に似合う「派手ではないがこれぞ名演」なるものを聴きたくなったりする。
ティナ・ブルックスのテナーは正直、地味だ。
ブルックスがジャズ界に残した足跡はあまりにも小さい。
さらに悪いことにテナーマンには巨人が多く、完全に影が薄くなってしまった。
たしかに、演奏技術はロリンズやコルトレーンに遠く及ばない。が、くすんだような独特の音色と影を感じさせるオリジナル曲は地味ながら魅力的。
ふとたまらなく聴きたくなる、渋いテナーなのである。
本作は1960年録音。
ジャケット・デザインまで決まっていたのにお蔵入りになってしまったため、
永らくブルーノート幻の名盤とされていたのは有名なエピソードである。
そんな話はともかく、2曲目"Street Singer"を聴くべきだ。
テーマはマイナーペンタを拝借したシンプルなものだが、この物悲しさはどうだ。たまらない。
この曲のみブルックス、ブルー・ミッチェル、マクリーンの3管なのだが、この3人、なんとなく音色の傾向が似ている。
皆なんともいえない暗い音だ。
トランペットがドナルド・バードだったら、アルトがルー・ドナルドソンだったら、こうはいかなかったろう。
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ブルックスは74年、42歳の若さで亡くなった。
クスリをやりすぎ、肝臓を悪くしたのだそうだ。
長生きしても結局「マイナーなテナーマン」だったろうが、あの音でまたマクリーンと演って欲しかった。
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Freddie Redd Quintet / "Shades Of Redd"
2011年5月3日火曜日
アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ/"A Night In Tunisia"
坂道のアポロンにアート・ブレイキーが頻繁に登場するもんだからまた聴きたくなり、引っ張り出してきたのがコレである。
ジャズ・メッセンジャーズ(以下、JMと言ふ)の名盤といえば、モーニンを頂点としてカフェ・ボヘミアやらバードランドでのライブ盤やら、説明不要の金字塔ばかりだが、今回ご紹介するのは言わば
「隠れ名盤」である。
メンバーは
Art Blakey (Ds)
Sam Dockery (P)
Jimmy De Brest (B)
Bill Hardman (Tp)
Johnny Griffin (Ts)
Jackie Mclean (As)
マクリーンとグリフィン以外は知らない人ばっかりだ。
そもそもマクリーンが在籍した時代のJMは、ホレス・シルヴァーが活躍した時代とベニー・ゴルソンらが在籍した有名な時代とに挟まれていて、ハード・バップファンの間でも若干影が薄いとされているらしい。
だが、本作でもJM独特の「これぞハードバップ」な雰囲気、疾走感は十分発揮されており、上記の有名な作品群にも決して劣らない。
こういう隠れた名作を探すのもジャズの醍醐味と思う。
1曲目"A Night In Tunisia"はブレイキーのための曲になっているが、聴き応え十分。
なにしろマクリーンのソロが珍しくリズムに8分をバチッとはめた「バップなソロ」になっていて、
「マクリーンてちゃんと吹けるじゃんか!」
と思わせられる(失礼な話だが笑)。
いい意味でも「フツーなソロ」なので、コピーしてみると結構おもしろいかもしれないが・・・、どうでしょう?
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2010年10月5日火曜日
私の好きなジャッキー・マクリーンのレコード
音楽を聴く側からにしても演奏する側からにしても、楽器が「上手い」に越したことはない。
しかし、テクニックのある「上手い」演奏が必ずしも聴衆の心を捉えるとは限らないわけである。
「どちらかといえば下手」
だが
「抜群にかっこいい」
プレイヤー。
私の中のその代表格が、ジャッキー・マクリーンである。
早いパッセージでは指の回りはイマイチだし、何しろ音程が悪い。
それでもなお、マクリーンの演奏が我々を捉えて離さないのはなぜなのか。
「哀愁漂うトーン」だの、「訛りとも言うべきプレイ」だの、使い古されたマクリーン評を書くつもりはない。そんなものが読みたければそこらへんの雑誌にいくらでも載っている。
私が魅力を感じる理由はただひとつ。
音に男気を感じるからだ。
「少々音程が悪かろうが、俺はこう演る!」と言わんばかりの、堂々とした吹きっぷり。
パーカーのフォロワーと呼ばれながら、一聴してマクリーンだと認識させる、独特のリズム感と音遣い。
そういう演奏は、難しく考えすぎのテクニシャンが吹いたものよりも感動がある。
とはいえ、御託を並べてもしょうがない。とりあえず私的オススメを3枚挙げたので、とにかく聴いてみて欲しい↓。
①“Swing,Swang,Swingin”
マクリーン入門用
としてよく挙げられる一枚。
オリジナル曲による構成が多いブルーノート時代には珍しくスタンダード中心の選曲で、マクリーンのアルトが素直に聞けるアルバムでもある。
相変わらず音程は悪いが…。
②“Right Now!!”
比較的複雑なテーマの曲が多いが、全体的にまとまっている好アルバム。
夭逝したエリック・ドルフィにささげた2曲目が泣かせる。
音程の悪さも相まって、男気全開である。
ブロマイドみたいな写真を使わず、文字だけドン!と置いたジャケットにも男らしさを感じる。
アルバムタイトルは、訳すと「今だ、おりゃあ!!」ってか。
③“Demon’s Dance”
ぶっ飛んでるジャケットが印象的な、ブルーノート時代最後の録音。
4曲目の”Sweet Love Of Mine”はジャズ史に残る名演として名高い。
なるほど、ボッサのリズムにのせてテーマが始まった瞬間から伝わる緊張感と高揚感はたまらんのである。
この1曲聴くだけでも、このCDは買う価値ありだ。
ウディ・ショウとのコンビが聴けるという点でも貴重。
******************************************************************************************
ジャズアルトのひとつの時代を築いた彼も、2006年3月31日に亡くなってしまった。
一度はライブを見に行きたかった…。
今後も当ブログではマクリーン名盤を紹介していく予定である。
しかしまあ、この音程の悪さはもう少しどうにかならんのか。
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しかし、テクニックのある「上手い」演奏が必ずしも聴衆の心を捉えるとは限らないわけである。
「どちらかといえば下手」
だが
「抜群にかっこいい」
プレイヤー。
私の中のその代表格が、ジャッキー・マクリーンである。
早いパッセージでは指の回りはイマイチだし、何しろ音程が悪い。
それでもなお、マクリーンの演奏が我々を捉えて離さないのはなぜなのか。
「哀愁漂うトーン」だの、「訛りとも言うべきプレイ」だの、使い古されたマクリーン評を書くつもりはない。そんなものが読みたければそこらへんの雑誌にいくらでも載っている。
私が魅力を感じる理由はただひとつ。
音に男気を感じるからだ。
「少々音程が悪かろうが、俺はこう演る!」と言わんばかりの、堂々とした吹きっぷり。
パーカーのフォロワーと呼ばれながら、一聴してマクリーンだと認識させる、独特のリズム感と音遣い。
そういう演奏は、難しく考えすぎのテクニシャンが吹いたものよりも感動がある。
とはいえ、御託を並べてもしょうがない。とりあえず私的オススメを3枚挙げたので、とにかく聴いてみて欲しい↓。
①“Swing,Swang,Swingin”
マクリーン入門用
としてよく挙げられる一枚。
オリジナル曲による構成が多いブルーノート時代には珍しくスタンダード中心の選曲で、マクリーンのアルトが素直に聞けるアルバムでもある。
相変わらず音程は悪いが…。
②“Right Now!!”
比較的複雑なテーマの曲が多いが、全体的にまとまっている好アルバム。
夭逝したエリック・ドルフィにささげた2曲目が泣かせる。
音程の悪さも相まって、男気全開である。
ブロマイドみたいな写真を使わず、文字だけドン!と置いたジャケットにも男らしさを感じる。
アルバムタイトルは、訳すと「今だ、おりゃあ!!」ってか。
③“Demon’s Dance”
ぶっ飛んでるジャケットが印象的な、ブルーノート時代最後の録音。
4曲目の”Sweet Love Of Mine”はジャズ史に残る名演として名高い。
なるほど、ボッサのリズムにのせてテーマが始まった瞬間から伝わる緊張感と高揚感はたまらんのである。
この1曲聴くだけでも、このCDは買う価値ありだ。
ウディ・ショウとのコンビが聴けるという点でも貴重。
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ジャズアルトのひとつの時代を築いた彼も、2006年3月31日に亡くなってしまった。
一度はライブを見に行きたかった…。
今後も当ブログではマクリーン名盤を紹介していく予定である。
しかしまあ、この音程の悪さはもう少しどうにかならんのか。
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