2012年2月15日水曜日

ソニー・スティット / "Sonny Stitt"

言わずと知れた名盤を紹介したって仕方ないという意見もあるだろうが、いいものはいいんだから仕方ない。




文句なく満場一致、ソニー・スティットの名盤である。

アルバムタイトルからしてすばらしい。何しろ自分の名前だけなんだから。
「山田太郎」というアルバムがレコード屋で売られているようなものである(山田太郎さんて方いらしたらすみません)。
ジャケットも、まあどうなんだろうか…。血管浮きすぎである。


余計は話はいいとして、ここでのスティットはアルトもテナーも吹いているし、選曲もバランスの取れた内容だ。外れなしである。
ちなみに"Cool Blues"はサンボーンが楽器を始めた頃に必死こいてコピーしたバージョンらしい。

ただ、個人的にはスタンダード曲"This Is Always"がアルバム中至上だ。
曲はゆったりとバラード調で始まるのだが、まず出だしの音でもうやられる。
音色は比較的パリッとしている時代だが、特にサイドキーあたりの高音域では玉を転がすような(という表現が適切かわからんが)澄んだ美しさがある。
そして、倍テンポになってからの怒涛の16分音符が迸るソロ。よくもまあこの速度でこれだけ起承転結のあるドラマチックなストーリーを作って吹けるものだ。

アルバム自体愛聴盤だったが、この曲だけは本当に1,000回は聴いた。いつかきっとこんな風に吹けるようになるぞと思いつつ。


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