2011年8月17日水曜日

フレッド・アンダーソン(Ts) / "On The Run"

シカゴ前衛ジャズの重鎮フレッド・アンダーソン(Ts)が、自身の経営するジャズクラブ"Velvet Lounge"で行ったライブ録音。




80歳を迎えても衰えるどころかブリブリ吹きまくっていた前衛ジジイであったが、2010年ついに亡くなった。悔やまる死である。

さて、本アルバムのメンバーは
青木達幸(b)、ハミッド・ドレイク(ds)。

アンダーソンがもっとも好むトリオ編成による演奏だ。
フリージャズ、前衛ジャズに分類されるが(というか、モロそうなんだが)、よくあるフリーのサックスのようにキーキーとフリーキー・トーンを吹きまくるということはない。
逞しくも深い音色。何度か聴いていると同じようなフレーズがちらほら出てくるが細かいことは気にしない。
ギャーギャーやかましくすればフリージャズになると思っているやつにこういう録音を聴けと言いたい。 "Smooth Velvet"のうねるテナー、空気を感じつつ音を重ねていくベースとドラム。たまらなく最高である。
「型」が少ない分だけ、却って不自由になってしまうことも多い。何度も聴きたくなるフリージャズというのは案外少ないものなのである。

余談だが、シカゴのサックスとくればジーン・アモンズは当然出てくる。
同じテナーということもあり、アンダーソンもよくアモンズと比較されるが、ライナーノーツやら雑誌やらでたまに見かける「アモンズのような引き締まった音」という表現は
まったく意味がわからない。 時期によりけりとはいえ、どう聴いてもアンダーソンのほうがむしろ音はふくよかでやわらかいのだ。
一体何を聴いているんだと問い詰めたくなる。

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ジーン・アモンズのテナーバトル

2 件のコメント:

botch さんのコメント...

おおーフレッドアンダーソンきたかー!
俺はATAVISTICレーベルから出てるゆるいアルバムが好きだす。亡くなっていたとは知らなかったです…個人的にはジムオルーク界隈とかとももっと演って欲しかったー

hajime さんのコメント...

おおっ!コメント有難う。
亡くなってたのはショックだよな。というわけでしつこくフレッド・アンダーソンの記事書いたのでこちらもご覧あれ。
http://macho-sax.blogspot.com/2011/08/fred-anderson-dkv-trio.html