2011年1月13日木曜日

フィル・ウッズとジーン・クイル/Phil Talks With Quill

前回はテナーバトルについて書かせていただいたが、アルトのバトルモノでも負けず劣らず熱い演奏がある。


1957年録音。

バップの有名曲をアルト2本でこれでかとばかりに吹くわけだが、このころの二人は音が似通っているので、フレーズの手癖などをよく聴かないと、どっちがどっちだか
正直よくわからん。

各プレイヤーについてだが、まずジーン・クイルはこのアルバムで名が売れたくらいで、リーダーアルバムは1枚だけ(違ってたらごめんなさいクイルさん!)、過小評価されている薄幸のアルトだ。
ウッズに比べると若干地味だが、少し固めの音でゾクッとするようなフレーズを吹く。
2曲目”Night In Tunisia”での最高にドラマチックなブレイクから始まるソロは秀逸だ。思わず「コノヤロ!」と叫びたくなる。
片やウッズは、泉から湧き出るが如く流れ出るメロディックなアドリブフレーズ。
フィンガリングは機械のように正確で、ハーフタンギングのキレは半端ではない。基礎練習の賜物だろう。
パーカーの名曲”Scrapple From The Apple”は300近い急速テンポだがブレがまったくない。



若き日のウッズ。
このころはまだ男前であった。



プレイヤーの違いを楽しむ聴き方ができるかわからないが、アルト奏者にとっては最高の一枚であることに疑いなし。
■Musicians
Phil Woods(as)
Gene Quill (as)
Bob Corwin(p)
Sonny Dallas(b)
Nick Stabulas(ds)

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