前2回は、洗練された音のプレイヤーをご紹介したが、その反動なのか、ゴツゴツした無骨なバリトンサックスを聴きたくなる。
これは性としか言いようがない。
というわけで、今回はレオ・パーカーである。
古いモノラル録音で、1940年代後期のものと思うがよくわからん。
メルヴィン・ギルとの2バリトンらしいのだが、そもそもこのメルヴィン・ギル(Sax Gill)があまりにマイナーすぎて何者なのかまったくわからん。
まあ細かいことは置いといて、とにかく聴けばよい。
まったくやる気のないジャケットではあるが、
1曲目から特徴的な極太の音を満喫できる。現代的な、いわゆる「ドンシャリ系」とはまったく違う昔の楽器の音。
ブリブリ吹くだけでなく、奏法の基本がサブトーンになっているとわかる2曲目。
思わずヨダレが出てしまう。
バリトンサックスが好きな方には特にオススメしたい一枚だ。
レオはチャーリー・パーカーの5歳年下(無論親族関係はないのだが・・・)。
活躍した時代はまさにバップ隆盛の時であったが、他のバリトン奏者と違い、R&Bやジャンプ・ブルースのフレーズを失わなかったプレイヤーだ。
イリノイ・ジャケーが全幅の信頼を置いていたバリトン奏者でもあり、大砲のような音でホンカー譲りのジャンプ系フレーズを吹きまくる。
理論的にも奇をてらったところは皆無であり、
おバカでわかりやすいソロ
(これは最高の敬意を込めた言葉とご理解いただきたい)が満載。
近年のジャズは少々煮詰まった感も否めず、今こういった音源を聴くと却って新鮮なのだ。
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