ついつい更新が滞ってしまった…。
前回はスリー・ブラインド・マイスについて書いたので、今回は早速TBMの名盤を紹介したいと思う。
←70年代らしい挑発的なジャケットが印象的だ。
1970年録音。
新宿ピットインの2階に「ニュージャズ・ホール」が作られたのが69年であるから、まさに新しい「日本のジャズ」が毎晩生み出される、凄まじい時代だったはずだ。
本作のタイトルはそのものズバリ、『ナウ』(”Now”)。
まさに今、独自の新しい音楽が作られている、という意味からつけたのかもしれない。
「状況劇場」とネーミングの発想が似ている気もする。
メンバーは
今田勝 (P)
三森一郎 (Ts,Ss)
水橋孝 (Ba)
小津昌彦 (Ds)
※敬称略
当時は若手だったのだろうが、今から見るととんでもないメンバーだ。
全曲今田勝さんのオリジナル曲で占められているが、戦闘的なフリー・ジャズというよりも、
リラックスして聴ける好演
という印象が強い(とはいっても前衛的ではあるのでそこらへんは心配無用)。
A面1曲目『ノスタルジア』はどことなく哀愁漂うメロディーが美しいバラード。
三森一郎さんのテナーは、輪郭のはっきりした美しい、しかしちょっとささくれたようなサウンド。
もろに後期コルトレーンの影響が感じられる。高音域はテナーというよりも、太い音のソプラノサックスのようさえ聴こえるときがある。
B面の1曲目モーダルなナンバー『ゲーヒ・ドリアン』も好きだ。
モードのこういう曲演りてえ!と思わせる印象的なテーマ。
ちなみに「ゲーヒ」というのは「ヒゲ」の逆さ読みで、昔グループで一緒だったベーシストの吉沢元治さんがヒゲを生やしていたため、曲名に使ったとのこと笑。
全曲外れなし、日本ジャズらしさを存分に実感できる超名盤だ。
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