2009年11月25日水曜日
Wings For Wheels ~Bruce Springsteen~
改めて思う。
やはり“Born To Run”しかない、と。
ある夏の夜に起こる様々な物語をアルバム1枚で描いた、ロックンロール史上に輝く名盤中の名盤。
中学で初めて出会って以来、何千回聴いたかわからない。
今でも1曲目”Thunder Road”のイントロを聴くと目頭が熱くなる。
心の琴線に触れるシンプルかつ美しい旋律、友達のことを歌った歌詞、そしてクラレンス・クレモンズのサックスの咆哮。
これ以上何を望もうか。
75年ロンドンでのライブを収めたDVDボックス。
これを見ずしてBossは語れない!
世紀の名曲”Born To Run”や”Jungle Land”がいかにして作られたかをブルース本人とバンドメンバーたちが回想するドキュメンタリーも付いている。
あの曲たちが生まれたとき、ブルースは若干24歳。「人生で最も大切なものを得た時期」だった。
他にもBossについて書きたいことは山ほどあるんだが、今日はこれくらいにしておこう。
また今度!
2009年9月25日金曜日
ジャケ買いしようぜ!!
前回のアーネット・コブ特集はどうも人気がなかったらしいので、今回は少々大衆向け(?)の内容にしてみた。
というわけで!

夕日に燃える空に浮かぶ巨大な客船。それを浜辺から眺める少年の姿がシルエットとなって美しい。
ウェイン・ショーターの有名盤。このジャケットはご存知の方も多いのではなかろうか。
アルバム自体はショーター本人が15歳のときに書いたSF漫画(なんだそりゃ)がコンセプトになっているらしい。
ショーターのソプラノが一直線の音になっていてとても心地よい。
リズムは打ち込みを多用している。当時としては斬新だったのかもしれないが、私としては生バンドでやって欲しかった。
1986年録音。
オススメ度:☆☆☆☆★
Richie Kamuca / Bill Holman “West coast Jazz In Hifi”
夕日のさす波打ち際に楽器が・・・というジャケットが綺麗だなと思って購入(安易ではあるが気にしない)。
オクテット形式での演奏なのだが、とりあえず面子がハンパない。ロッソリーノ大先生(tb)、ビル・ホルマン(bs)、そしてリッチー・カミューカ(ts)!
ウェスト・コースト派の中でも特に一目置かれていたというカミューカのテナーはとても紳士的で、俺が女だったらコロッといくだろうなぁ、という感じである。
オススメ度:☆☆☆☆★
“Indo Jazz Fusions”
見るからに怪しいナゾのレコード。
これをジャケ買いした当時は精神的に病んでいたかもしれない、というようなすさまじいジャケット。ベルセルクにこういう使徒がいたような・・・。
見ればわかる(笑)!他には何も語るまい!
※ 演奏自体はどうかというと、ジャケットからは想像もつかないような柔らかく太いテナーサウンドが楽しめる。しかも、猛烈にスイングする。最高!
アルバムの詳細はまた今度。
オススメ度:☆☆☆☆☆
このように、結構アタリを引くことも多いジャケ買い。
みなさんも試してみては?
というわけで!
今回はジャケ買い特集だ。
ジャケ買い:レコード、CDのジャケットに惹かれて購入することの意(広辞苑)
ジャケ買いをしたことがある:音楽ファン1,000人中953人がYES(帝国データバンク調べ)
皆さんは「ジャケ買い」をしたことはあるだろうか。私も結構やってしまう。
場合によっては「嘘だろっ!」っていうような駄盤に当たってしまうこともあるが、まあギャンブルみたいなものだからしょうがない。
というわけで、今回は私がこれまで経験した「ジャケ買い」の一部をご紹介しよう。
内容についても多少触れるので、興味を持った方はamazonのリンクをクリック!!
Wayne Shorter “Phantom Navigator”
ジャケ買い:レコード、CDのジャケットに惹かれて購入することの意(広辞苑)
ジャケ買いをしたことがある:音楽ファン1,000人中953人がYES(帝国データバンク調べ)
皆さんは「ジャケ買い」をしたことはあるだろうか。私も結構やってしまう。
場合によっては「嘘だろっ!」っていうような駄盤に当たってしまうこともあるが、まあギャンブルみたいなものだからしょうがない。
というわけで、今回は私がこれまで経験した「ジャケ買い」の一部をご紹介しよう。
内容についても多少触れるので、興味を持った方はamazonのリンクをクリック!!
Wayne Shorter “Phantom Navigator”

夕日に燃える空に浮かぶ巨大な客船。それを浜辺から眺める少年の姿がシルエットとなって美しい。
ウェイン・ショーターの有名盤。このジャケットはご存知の方も多いのではなかろうか。
アルバム自体はショーター本人が15歳のときに書いたSF漫画(なんだそりゃ)がコンセプトになっているらしい。
ショーターのソプラノが一直線の音になっていてとても心地よい。
リズムは打ち込みを多用している。当時としては斬新だったのかもしれないが、私としては生バンドでやって欲しかった。
1986年録音。
オススメ度:☆☆☆☆★
Richie Kamuca / Bill Holman “West coast Jazz In Hifi”
夕日のさす波打ち際に楽器が・・・というジャケットが綺麗だなと思って購入(安易ではあるが気にしない)。オクテット形式での演奏なのだが、とりあえず面子がハンパない。ロッソリーノ大先生(tb)、ビル・ホルマン(bs)、そしてリッチー・カミューカ(ts)!
ウェスト・コースト派の中でも特に一目置かれていたというカミューカのテナーはとても紳士的で、俺が女だったらコロッといくだろうなぁ、という感じである。
オススメ度:☆☆☆☆★
“Indo Jazz Fusions”
見るからに怪しいナゾのレコード。ジャケットにヒンドゥー文字と思しきものが書いてあるが、よく見れば単に
アルファベットをそれ風に書いてるだけ。
しかも「インドジャズ」なら”Indian Jazz”と書くべきだろうに、こともあろうか”Indo Jazz”。
Indoってなによ笑。
この適当な感じが妙に気に入り、思わず購入。
1曲目から聴いてみると、インドというか何というか、ビミョーに無国籍な雰囲気が。
で、2曲目は同じフレーズをシタールでひたすらループ。完全にドラッグミュージックになってます。
しかし、アマゾンで検索してびっくり。
この適当な感じが妙に気に入り、思わず購入。
1曲目から聴いてみると、インドというか何というか、ビミョーに無国籍な雰囲気が。
で、2曲目は同じフレーズをシタールでひたすらループ。完全にドラッグミュージックになってます。
しかし、アマゾンで検索してびっくり。
なんとミュージックランキングで10万位くらいになっている!
以外に聴いてる人多いのか・・・。
オススメ度:☆☆☆★★
Brew Moore “The Brew Moore Quartet and Quintet”
以外に聴いてる人多いのか・・・。
オススメ度:☆☆☆★★
Brew Moore “The Brew Moore Quartet and Quintet”
これをジャケ買いした当時は精神的に病んでいたかもしれない、というようなすさまじいジャケット。ベルセルクにこういう使徒がいたような・・・。見ればわかる(笑)!他には何も語るまい!
※ 演奏自体はどうかというと、ジャケットからは想像もつかないような柔らかく太いテナーサウンドが楽しめる。しかも、猛烈にスイングする。最高!
アルバムの詳細はまた今度。
オススメ度:☆☆☆☆☆
このように、結構アタリを引くことも多いジャケ買い。
みなさんも試してみては?
2009年9月16日水曜日
男たるものこうでなくっちゃ ~アーネット・コブ~
「男のテナー」と来れば、デクスター・ゴードン、ジーン・アモンズが筆頭に上がりそうだが、今回紹介するのははアーネット・コブ(Arnett Cobb)である。
演奏もさることながら、そもそも見た目のインパクトがハンパではない。
「お前はアルト吹きなのにまたテナーかよ!」という罵声が飛んできそうだが、表現の自由なので気にしない。
日本国内での知名度はいまいちのようだが、私はとても好きだ。
ジャズファンの中ではコブはホンカーとして位置付けられることが多いが、私の持論では、
コブはホンカーではない(!!)。
※ 「ホンカーってそもそも何よ?」という方は、ブログのバックナンバー「下品でナンボ!ホンカー特集」を参照されたい。
泥臭さむんむんで吹きまくるが、基本的なスタンスが、何というかどっしりしている印象を受ける。ビッグ・ジェイ・マクニーリーなどのいわゆるホンカー族と比べると、よりジャズ的と言えるかもしれない。ギャンギャン吹くというタイプとは一線を画する。
あくまで私個人の好みであるが、テナープレイヤーにはこういうのを聴いて欲しい!!
で、オススメはこちら。
"Chittlin’ Shout"
チタリン(Chittlin’)というのは豚の小腸のことらしい。
B.B.キング曰く、肉を買う金のない黒人がチタリンを買って食う。それが転じて、黒人地区の小さいクラブで演奏することをチタリン・サーキットと呼ぶようになったと。
そういうところの客は皆耳が肥えていて、つまらない演奏をすると野次ったり、物を投げつけたりするそうである。
コブもチタリン・サーキットで揉まれて這い上がっていったミュージシャンの一人である。
アルバムの内容を一言でいうと、ブルース、ファンク、ソウル、ジャズのごった煮。
小手先のテクニックは一切無視!男だぜ!
71年録音。
"Blow Arnett Blow!"
ゴリゴリ系サックスの代表格であるエディ・ロックジョウ・デイビスとの共演。フロントを2テナーにして吹きまくる、夢のような一枚。
ソロバトルを聴いていると、二人のスタイルが違って面白い。
ロックジョウはかなり速いテンポでも、拍に忠実にはめ込んでいく速射砲のようなプレイ。
かたやコブは、最初から拍を無視して好きなように吹く。笑える。
特に2曲目の”Go Power!!”の演奏は圧巻だ。この曲はI Got Rhythmと同じ(多少単純化しているように思うが)コード進行であるので、コピーの素材としても面白い。ブルース系プレイヤーらしいわかりやすいアプローチが聴いていて楽しい。
"Smooth Sailing"
唸りまくるオルガンをバックに、コブがブリブリ吹く。
先に紹介した2枚と比べると若干おとなしい感じか。
聴いてみた方はお分かりかと思うが、紹介したアルバムはどれも熱い演奏ばかり。
しかし、驚くべきとこに、これらのアルバムを録音したとき、コブは自力で歩けない状態であったのだ。
56年の自動車事故に遭い、
二度と自分の足では歩けなくなってしまった。

松葉杖にも関わらず、ライブでぶちかますアーネット・コブ。
だが、不屈の精神で演奏を続け、ライブでは松葉杖をわきの下に挟んで立ち上がり、テナーをこれでもかと言わんばかりに吹いたという。
1989年、71歳で死去。
演奏もさることながら、そもそも見た目のインパクトがハンパではない。
「お前はアルト吹きなのにまたテナーかよ!」という罵声が飛んできそうだが、表現の自由なので気にしない。
日本国内での知名度はいまいちのようだが、私はとても好きだ。
ジャズファンの中ではコブはホンカーとして位置付けられることが多いが、私の持論では、
コブはホンカーではない(!!)。
※ 「ホンカーってそもそも何よ?」という方は、ブログのバックナンバー「下品でナンボ!ホンカー特集」を参照されたい。
泥臭さむんむんで吹きまくるが、基本的なスタンスが、何というかどっしりしている印象を受ける。ビッグ・ジェイ・マクニーリーなどのいわゆるホンカー族と比べると、よりジャズ的と言えるかもしれない。ギャンギャン吹くというタイプとは一線を画する。
あくまで私個人の好みであるが、テナープレイヤーにはこういうのを聴いて欲しい!!
で、オススメはこちら。
"Chittlin’ Shout"
チタリン(Chittlin’)というのは豚の小腸のことらしい。
B.B.キング曰く、肉を買う金のない黒人がチタリンを買って食う。それが転じて、黒人地区の小さいクラブで演奏することをチタリン・サーキットと呼ぶようになったと。
そういうところの客は皆耳が肥えていて、つまらない演奏をすると野次ったり、物を投げつけたりするそうである。
コブもチタリン・サーキットで揉まれて這い上がっていったミュージシャンの一人である。
アルバムの内容を一言でいうと、ブルース、ファンク、ソウル、ジャズのごった煮。
小手先のテクニックは一切無視!男だぜ!
71年録音。
"Blow Arnett Blow!"
ゴリゴリ系サックスの代表格であるエディ・ロックジョウ・デイビスとの共演。フロントを2テナーにして吹きまくる、夢のような一枚。
ソロバトルを聴いていると、二人のスタイルが違って面白い。
ロックジョウはかなり速いテンポでも、拍に忠実にはめ込んでいく速射砲のようなプレイ。
かたやコブは、最初から拍を無視して好きなように吹く。笑える。
特に2曲目の”Go Power!!”の演奏は圧巻だ。この曲はI Got Rhythmと同じ(多少単純化しているように思うが)コード進行であるので、コピーの素材としても面白い。ブルース系プレイヤーらしいわかりやすいアプローチが聴いていて楽しい。
"Smooth Sailing"
唸りまくるオルガンをバックに、コブがブリブリ吹く。
先に紹介した2枚と比べると若干おとなしい感じか。
聴いてみた方はお分かりかと思うが、紹介したアルバムはどれも熱い演奏ばかり。
しかし、驚くべきとこに、これらのアルバムを録音したとき、コブは自力で歩けない状態であったのだ。
56年の自動車事故に遭い、
二度と自分の足では歩けなくなってしまった。

松葉杖にも関わらず、ライブでぶちかますアーネット・コブ。
だが、不屈の精神で演奏を続け、ライブでは松葉杖をわきの下に挟んで立ち上がり、テナーをこれでもかと言わんばかりに吹いたという。
1989年、71歳で死去。
ラベル
サックスバトル,
テナーサックス,
ホンカー/ジャンプ・ブルース等
2009年5月23日土曜日
暴力のサックス ボルビトマグース
サックスという楽器に皆さんはどのようなイメージを持つだろうか。
「TスクウェアのTruth」だろうか。「夜霧に咽ぶムードテナー」というのもあるだろう。
とりあえず、ジャズ・ポップスの花形楽器のひとつというイメージは一般大衆の中では確立しており、正にその通りとも言える。
しかし、そんなイメージを徹底的に破壊し尽す、恐ろしく暴力的なサックスがある。
バンド名にコレを採用した理由はまったく不明。
この際わからなくたっていいのである。
ライブで発射される音塊の破壊力はすさまじく、客は聴覚に異常をきたし、ライブ後しばらく会話ができなくなったそうだ。
ライブハウスのスピーカーを吹っ飛ばしたという伝説も残している。
96年6月、渋谷ラママでの歴史的ライブ。聴くべし!
<特別コラム:何故、破壊的な音楽に惹かれるのか>
さて、読者のみなさんはいかがでしょう?
関連記事
10,000Hit記念! Peter Brotzmann Trio / "For Adolphe Sax"
「TスクウェアのTruth」だろうか。「夜霧に咽ぶムードテナー」というのもあるだろう。
とりあえず、ジャズ・ポップスの花形楽器のひとつというイメージは一般大衆の中では確立しており、正にその通りとも言える。
しかし、そんなイメージを徹底的に破壊し尽す、恐ろしく暴力的なサックスがある。
ニューヨークアンダーグラウンドの雄として、カルト的な人気を誇るノイズバンド、
ボルビトマグースである。
ボルビトマグースである。
メロディー、ハーモニー、一定のリズムを持ったものを音楽と定義つけるのであれば、彼らの演奏はおよそ音楽と呼べる代物ではない。
圧倒的な轟音と獰猛なサックス。これは「音楽」ではなく、むしろ「行為」というべきであろう。
圧倒的な轟音と獰猛なサックス。これは「音楽」ではなく、むしろ「行為」というべきであろう。
79年結成。
ドン・ディートリッヒ(sax)、ジム・ソウター(sax)、ドナルド・ミラー(guitar)の3人組からなる(活動初期はエレクトロニクス担当がいたが、現在は3人である)。
その演奏は超爆音・超轟音であり、JOJO広重をして「最もうるさいバンド」と言わしめた。
フリージャズやロックとも全く異なる。
その演奏は超爆音・超轟音であり、JOJO広重をして「最もうるさいバンド」と言わしめた。
フリージャズやロックとも全く異なる。
左から、Donald Miller(Gt)、Don Dietrich(sax)、Jim Sauter(sax)
<ボルビトマグースの意味とは>
紀元400年代中頃にフン族(北方の匈奴の一派と思われる)がローマ帝国の一部を侵略した。
その際にケルト系ローマ人の町が襲われ、虐殺されたらしい。そのとき被害を被った町のひとつが「ボルビトマグース」という名前だったようである。
バンド名にコレを採用した理由はまったく不明。
この際わからなくたっていいのである。
ライブで発射される音塊の破壊力はすさまじく、客は聴覚に異常をきたし、ライブ後しばらく会話ができなくなったそうだ。
ライブハウスのスピーカーを吹っ飛ばしたという伝説も残している。
そのパフォーマンスも常軌を逸している。
マウスピースとネックの間を長いホースでつなぎ、サックス本体をエレキギターのように振り回しながら吹きまくるゴムホース・サックス(勝手に命名)。
ここまで来ると、音程もへったくれもない。
アドルフ・サックスもあの世でさぞ驚いていることだろう。
まだある笑。
2本のサックスのベルでマイクをはさみ、一気に爆音を撒き散らす
必殺技ベル・トゥゲザー(Bell Together)。
もはや何がなんだかわからない。
音階や理論なんざクソ食らえとでも言わんばかりのその有様からは、サックスという楽器の更なる可能性すら感じる。
96年6月、渋谷ラママでの歴史的ライブ。聴くべし!
多くの人がフリージャズやノイズは受け入れがたいものと感じるだろう。楽器を正しく演奏できない人が滅茶苦茶やっているだけ、という見方もできる。
特にボルビトマグースのような「行為」は極めて破壊的だ。
しかし、私を含め一部の人には熱狂的な支持を受けているのも事実である。なぜなのか。
特にボルビトマグースのような「行為」は極めて破壊的だ。
しかし、私を含め一部の人には熱狂的な支持を受けているのも事実である。なぜなのか。
その根底にあるのは「破壊衝動」
ではなかろうか。
必死で作ってきたものをぶち壊してしまいたいという、ある種のカタルシスを求める感覚というものは誰しも少なからず持っている。
そうした衝動を、演奏者が音という形をとって自分の代わりに体現してくれているというように感じる、言い換えれば
「代償行為」
に当たると考えることはできまいか。
少々飛躍しすぎかもしれないが、少なくともフリー系のライブを聞きに行くとき、私の中にはそのようなものが流れているような気がする。
ではなかろうか。
必死で作ってきたものをぶち壊してしまいたいという、ある種のカタルシスを求める感覚というものは誰しも少なからず持っている。
そうした衝動を、演奏者が音という形をとって自分の代わりに体現してくれているというように感じる、言い換えれば
「代償行為」
に当たると考えることはできまいか。
少々飛躍しすぎかもしれないが、少なくともフリー系のライブを聞きに行くとき、私の中にはそのようなものが流れているような気がする。
さて、読者のみなさんはいかがでしょう?
関連記事
10,000Hit記念! Peter Brotzmann Trio / "For Adolphe Sax"
2009年4月26日日曜日
しかしまあ、何だなぁ。アンブシュアは・・・。
アンブシュア(楽器を吹くときの口の形のこと。いやらしい意味はない。)は難しい。
アマチュアにとっては勿論、プロにとっても永遠の課題であろう。なにしろ、
音程と音色はアンブシュアで8割がた決まる
といわれるくらいである。
というわけで、今回はアンブシュアの話。
まずはじめに、絶対的に正しいアンブシュアというのは無いようだ。要するに「客を納得させられる音」が出せるのなら、どんなとんでもない吹き方だっていいはずである。
しかし、「いい音」を出すための様々なアンブシュアを平均化すれば、一定の法則というか、決まりみたいなもんがあるように思うので、徒然なるままに書いてみることにする。
本題に戻ろう。
我々ド素人は当然プロのアンブシュアをお手本にすべきなのだが、真似る対象を間違えてはいけない。
唇の厚さがまったく異なる黒人プレイヤーはあまり参考にならないだろう。そもそもアンブシュアがどうなっているのか、見てもわからない(マウスピースが口に埋まっているように見えることもしばしば)。
サンボーンを真似るのもやめといたほうがいいだろう。
急角度をつけてマウスピースをくわえる独特の吹き方はサンボーン自身が研究し尽くした末の結果であろうが、素人は真似してはいけないスタイルであるし、第一格好だけ似せてもあんなふうには吹けない。現実は厳しいのである。これまで、いかにも「サンボーン最高です」的に楽器を斜めに構えて吹く人を何人か見てきたが(フュージョン系サークルに多い)、ろくなのがいない。まずは正統派でいくべきだろう。
といって、中には
パーカー好きが高じてセッティングまで真似するアホ
がおるが、論外である。ブリルハートのマッピに鋼鉄のように硬いリードなんて、そもそも音が出ない。やめとこう。
というわけで、我々は日本人もしくは白人プレイヤーを真似するのが得策であろう。具体的には、宮本大路氏、本田雅人氏(音の好みは分かれると思うが)、あとはフィル・ウッズといったところだろうか。時期やスタイルによっての差はあるものの、この方たちのアンブシュアには一定の共通点があるように思う。
これに、私が師から教えてもらったアンブシュアのポイントを加えると次のようになる。
・ マウスピースの上部(ティースガードのところ)に上の歯をしっかり乗せ、そこを支点とする
(決して下唇にマッピを「乗せる」ようにしてはいかん。噛むのと同じになってしまうからだ)。
・ マウスピースをくわえるとき、下あごは可能な限り脱力し、下にさげて、さらに手前に引く。
・ そうすることによって、リードに接するのは下唇のみになる。決して噛まない!
(「ほ」を発音するときに近い)
口というものは、上下に閉じるような構造になっている。そして、マウスピースの開口部も横長の形になっている。
人間の身体は脳みそによって作られるイメージで容易に変化してしまうので、サックスを吹くとき、どうしても「上下に噛む」というイメージに陥りやすい。
そうなると、音はどうして薄っぺらになってしまう。
我々が目指す「筒型の音」は「横長の薄っぺらさ」を出来るだけ排除する必要があるので、むしろ「縦長の筒型の音」くらいのイメージのほうがよいのかもしれない(というわけで、「ほ」の発音)。
これは、これまで脳内に作られたイメージを再構築しなくてはならないので、とても根気のいる作業であると思う。
・ 下唇は「巻く」のではなく、リードに対して「立てる」イメージ。出しすぎてもいかんらしい。
・ 腹に力を入れ、息をしっかり支える(これは当たり前か)。
以上の点から考えると、最も重要なのは「リードの振動を極力妨げない」こと及び、「マウスピースのオープニングを最大限生かす」ことといえるのではないかと思う。かといって緩いだけのアンブシュアがよいとはいえない。リードがやたら振動するだけの、コントロールのきかない音は音楽的とはいえないからだ。
文章で書けるのはとりあえずこれくらいだろうか・・・。
自分のアンブシュアを写真にとって載せようかとも思ったが、全然勘違いだったら恥ずかしいのでやめた。
※ やたらと偉そうなことを書いてしまったが、上記の内容を私が実践できているかというと、「あはは・・・。すみません・・・。」と言うほかない。
そして、私も当然ド素人なので、「ここで読んだことをやってみたらえらいことになった!」と訴えられても責任は取れません。
さらに、クラシックの吹き方は知りません。ごめんなさい。
ではまた。
アマチュアにとっては勿論、プロにとっても永遠の課題であろう。なにしろ、
音程と音色はアンブシュアで8割がた決まる
といわれるくらいである。
というわけで、今回はアンブシュアの話。
まずはじめに、絶対的に正しいアンブシュアというのは無いようだ。要するに「客を納得させられる音」が出せるのなら、どんなとんでもない吹き方だっていいはずである。
しかし、「いい音」を出すための様々なアンブシュアを平均化すれば、一定の法則というか、決まりみたいなもんがあるように思うので、徒然なるままに書いてみることにする。
本題に戻ろう。
我々ド素人は当然プロのアンブシュアをお手本にすべきなのだが、真似る対象を間違えてはいけない。
唇の厚さがまったく異なる黒人プレイヤーはあまり参考にならないだろう。そもそもアンブシュアがどうなっているのか、見てもわからない(マウスピースが口に埋まっているように見えることもしばしば)。
サンボーンを真似るのもやめといたほうがいいだろう。
急角度をつけてマウスピースをくわえる独特の吹き方はサンボーン自身が研究し尽くした末の結果であろうが、素人は真似してはいけないスタイルであるし、第一格好だけ似せてもあんなふうには吹けない。現実は厳しいのである。これまで、いかにも「サンボーン最高です」的に楽器を斜めに構えて吹く人を何人か見てきたが(フュージョン系サークルに多い)、ろくなのがいない。まずは正統派でいくべきだろう。
といって、中には
パーカー好きが高じてセッティングまで真似するアホ
がおるが、論外である。ブリルハートのマッピに鋼鉄のように硬いリードなんて、そもそも音が出ない。やめとこう。
というわけで、我々は日本人もしくは白人プレイヤーを真似するのが得策であろう。具体的には、宮本大路氏、本田雅人氏(音の好みは分かれると思うが)、あとはフィル・ウッズといったところだろうか。時期やスタイルによっての差はあるものの、この方たちのアンブシュアには一定の共通点があるように思う。
これに、私が師から教えてもらったアンブシュアのポイントを加えると次のようになる。
・ マウスピースの上部(ティースガードのところ)に上の歯をしっかり乗せ、そこを支点とする
(決して下唇にマッピを「乗せる」ようにしてはいかん。噛むのと同じになってしまうからだ)。
・ マウスピースをくわえるとき、下あごは可能な限り脱力し、下にさげて、さらに手前に引く。
・ そうすることによって、リードに接するのは下唇のみになる。決して噛まない!
(「ほ」を発音するときに近い)
口というものは、上下に閉じるような構造になっている。そして、マウスピースの開口部も横長の形になっている。
人間の身体は脳みそによって作られるイメージで容易に変化してしまうので、サックスを吹くとき、どうしても「上下に噛む」というイメージに陥りやすい。
そうなると、音はどうして薄っぺらになってしまう。
我々が目指す「筒型の音」は「横長の薄っぺらさ」を出来るだけ排除する必要があるので、むしろ「縦長の筒型の音」くらいのイメージのほうがよいのかもしれない(というわけで、「ほ」の発音)。
これは、これまで脳内に作られたイメージを再構築しなくてはならないので、とても根気のいる作業であると思う。
・ 下唇は「巻く」のではなく、リードに対して「立てる」イメージ。出しすぎてもいかんらしい。
・ 腹に力を入れ、息をしっかり支える(これは当たり前か)。
以上の点から考えると、最も重要なのは「リードの振動を極力妨げない」こと及び、「マウスピースのオープニングを最大限生かす」ことといえるのではないかと思う。かといって緩いだけのアンブシュアがよいとはいえない。リードがやたら振動するだけの、コントロールのきかない音は音楽的とはいえないからだ。
文章で書けるのはとりあえずこれくらいだろうか・・・。
自分のアンブシュアを写真にとって載せようかとも思ったが、全然勘違いだったら恥ずかしいのでやめた。
※ やたらと偉そうなことを書いてしまったが、上記の内容を私が実践できているかというと、「あはは・・・。すみません・・・。」と言うほかない。
そして、私も当然ド素人なので、「ここで読んだことをやってみたらえらいことになった!」と訴えられても責任は取れません。
さらに、クラシックの吹き方は知りません。ごめんなさい。
ではまた。
2009年1月25日日曜日
肋骨レコード
今回は趣向を変えて、社会派な論調(?)で書いてみようかと思う。
<プロローグ>
第2次大戦後のソ連。
文化的自由が厳しく規制される中、巷に奇妙なレコードが広まり始める。
使用済みのレントゲンフィルムにカッティングを施しただけの粗末な※ソノシート。
人々はそれを『肋骨レコード』と呼んだ。
※ 薄いビニール板や紙で作られたレコードの簡易版。雑誌の付録や金のないバンドの音源として用いられた。
97年に日本で最後のソノシート製造機がストップし、その歴史に幕を閉じた。

↑これが肋骨レコードである。
確かに誰かの骨が写っているから驚きだ。
<肋骨レコードの誕生>
アメリカでスウィング・ジャズが隆盛を誇っていた1930年代、ソ連は事実上文化的鎖国政策をとっていた。
しかし、第2次大戦を契機に出征したソ連兵は欧州戦線で西側の文化に初めて触れる。ジャズやシャンソンを聴いた兵士たちは終戦と同時にひそかにレコードを母国に持ち帰った。
ところが、母国ソ連は極端な警察国家・監視国家であり、スターリニズムが完全に支配していた。以前にも増して西側音楽は厳しく規制されることになる。レコードを聴くことも売買することも禁止され、発覚すれば収容所送りになった。

←ヨシフ・スターリン
1953年に死去するまでソ連共産党書記長を務めた。
権力欲・金銭欲はすさまじく、反対派を徹底的に弾圧
・粛清した。
ヒトラーに並ぶ、20世紀最悪の独裁者の一人である。
そんな中、なんとか西側音楽を聴くために考案されたのが『肋骨レコード』である。レコード盤自体が高価で一般市民には手に入らなかったため、使用済みのレントゲンフィルムが使われた。誰かの骨が写っていたことから『肋骨レコード』と呼ばれたのである。
当然このレコードも当時のソ連では禁制品である。作るのも買うのも聴くのも命がけという代物であった。
中には何回逮捕されて収容所送りになっても、出所後懲りずにレコードを地下レーベルで作り続けるツワモノもいたという。
いくら政府が規制しても、人々の西側音楽への欲求は抑えられず、肋骨レコードは数百万枚も作られたそうだ。
ちなみにレントゲンフィルムにレコードの溝を刻むカッティングマシンは、かつてスターリンの演説を録音する際に使用されたものというのだから、皮肉なものである。
<冷戦終結、ソ連崩壊>
時代は流れ、フルシチョフによるスターリン批判が始まり、西側文化への規制は次第に緩やかになってゆく。
ペレストロイカ、冷戦終結を経てソ連は崩壊、西側の文化が一気になだれ込むと同時に肋骨レコードもその役目を終え、静かに姿を消した。
<エピローグ>
そして現在。
レコードはCDにとって代わられ、ネットにはあらゆる音楽が溢れている。命がけでレコードを手にするなどありえない時代になった。肋骨レコード発祥の地ロシアでも、その存在は風化しつつあるという。
豊かであることは決して罪ではない。やましいと感じる必要もない。
しかし、我々が大好きな音楽にどっぷり漬かっているとき、身の危険を冒してまで聴きたい音楽を聴こうとした人々が数多いたことを忘れてはならない。
<プロローグ>
第2次大戦後のソ連。
文化的自由が厳しく規制される中、巷に奇妙なレコードが広まり始める。
使用済みのレントゲンフィルムにカッティングを施しただけの粗末な※ソノシート。
人々はそれを『肋骨レコード』と呼んだ。
※ 薄いビニール板や紙で作られたレコードの簡易版。雑誌の付録や金のないバンドの音源として用いられた。
97年に日本で最後のソノシート製造機がストップし、その歴史に幕を閉じた。

↑これが肋骨レコードである。
確かに誰かの骨が写っているから驚きだ。
<肋骨レコードの誕生>
アメリカでスウィング・ジャズが隆盛を誇っていた1930年代、ソ連は事実上文化的鎖国政策をとっていた。
しかし、第2次大戦を契機に出征したソ連兵は欧州戦線で西側の文化に初めて触れる。ジャズやシャンソンを聴いた兵士たちは終戦と同時にひそかにレコードを母国に持ち帰った。
ところが、母国ソ連は極端な警察国家・監視国家であり、スターリニズムが完全に支配していた。以前にも増して西側音楽は厳しく規制されることになる。レコードを聴くことも売買することも禁止され、発覚すれば収容所送りになった。

←ヨシフ・スターリン
1953年に死去するまでソ連共産党書記長を務めた。
権力欲・金銭欲はすさまじく、反対派を徹底的に弾圧
・粛清した。
ヒトラーに並ぶ、20世紀最悪の独裁者の一人である。
そんな中、なんとか西側音楽を聴くために考案されたのが『肋骨レコード』である。レコード盤自体が高価で一般市民には手に入らなかったため、使用済みのレントゲンフィルムが使われた。誰かの骨が写っていたことから『肋骨レコード』と呼ばれたのである。
当然このレコードも当時のソ連では禁制品である。作るのも買うのも聴くのも命がけという代物であった。
中には何回逮捕されて収容所送りになっても、出所後懲りずにレコードを地下レーベルで作り続けるツワモノもいたという。
いくら政府が規制しても、人々の西側音楽への欲求は抑えられず、肋骨レコードは数百万枚も作られたそうだ。
ちなみにレントゲンフィルムにレコードの溝を刻むカッティングマシンは、かつてスターリンの演説を録音する際に使用されたものというのだから、皮肉なものである。
<冷戦終結、ソ連崩壊>
時代は流れ、フルシチョフによるスターリン批判が始まり、西側文化への規制は次第に緩やかになってゆく。
ペレストロイカ、冷戦終結を経てソ連は崩壊、西側の文化が一気になだれ込むと同時に肋骨レコードもその役目を終え、静かに姿を消した。
<エピローグ>
そして現在。
レコードはCDにとって代わられ、ネットにはあらゆる音楽が溢れている。命がけでレコードを手にするなどありえない時代になった。肋骨レコード発祥の地ロシアでも、その存在は風化しつつあるという。
豊かであることは決して罪ではない。やましいと感じる必要もない。
しかし、我々が大好きな音楽にどっぷり漬かっているとき、身の危険を冒してまで聴きたい音楽を聴こうとした人々が数多いたことを忘れてはならない。
2008年8月15日金曜日
ジェームス・カーター
ご無沙汰!
最近暑い!こんな暑い日はパワーで押すアヴァンなジャズを聴くに限る。
というわけで、今回は巷で噂(?)のジェームス・カーター特集だ。

ほう、なかなかイケメンじゃないっすか。カーターさん。
サックスという楽器で可能なあらゆる奏法をマスターしているキ○ガイのようなプレイヤーだ。こと特殊奏法の技量は現代最高峰だと思う。
3オクターブを超えるフラジオ、フリークトーン、ファズトーン、スラップタンギング、フラッター、サーキュレイションブレスから名前のない理解不能な怪しい音まで何でもござれだ。
それでいて、単なるキワモノではない。レスター・ヤングやコールマン・ホーキンスの影響を受けつつ、モダンジャズの主流を着実に歩んでいる。
バラッドを吹かせれば弦楽器のような美しい音まで出しちまうんだから、聴いている側は「ずるいぞ、この野郎!」と叫ぶしかなくなる。 まあ、「ジャズ・テナーはスタン・ゲッツしか認めません。」みたいなファンには受けないだろうが、フリーのにおいが混ざったパワー系プレイヤーが大好きな私にとってはバッチリストライクゾーンなのである。
じゃあ、何から聴けばいいの?というそこの君!とりあえず以下紹介する音源を聴いてくれ。どれもアマゾンで買えるので、下記のリンクから注文して私の収益に貢献して欲しい(笑)。
"Out Of Nowhere"
バリトン・サックス好きなら是非聴くべき音源だ。
ウネるオルガンが実に心地よい。特に3曲目”High Jack”がかっこよい。なにしろハミエット・ブルーイット御大とカーターの2バリトンがブギョブギョ吹くんだから、もーたまらん。
"Out Of Nowhere"
バリトン・サックス好きなら是非聴くべき音源だ。
ウネるオルガンが実に心地よい。特に3曲目”High Jack”がかっこよい。なにしろハミエット・ブルーイット御大とカーターの2バリトンがブギョブギョ吹くんだから、もーたまらん。
"KC After Dark"by Kansas City Band
映画のサントラなのだがバカにできない。なにしろ参加してるミュージシャンがすごいことになっている。
カーターのソロでヤバいのは3曲目”Indiana”。ジャズのスタンダードをデキシー風にやるのだが、カーターはとびきり熱いブロウを聴かせてくれる。
映画のサントラなのだがバカにできない。なにしろ参加してるミュージシャンがすごいことになっている。
カーターのソロでヤバいのは3曲目”Indiana”。ジャズのスタンダードをデキシー風にやるのだが、カーターはとびきり熱いブロウを聴かせてくれる。
"Jurassic Classics"
とりあえずここらへんから聴いてみるのもいいかも。超速Aトレである。しかも汽車の汽笛をテナーのオーバートーンで再現(笑)するというキ○ガイぶり。
とりあえずここらへんから聴いてみるのもいいかも。超速Aトレである。しかも汽車の汽笛をテナーのオーバートーンで再現(笑)するというキ○ガイぶり。
"Chasin’ The Gypsy"
ジャンゴ・ラインハルトの曲を取り上げたアルバム。
ジプシー独特の哀愁に満ちた美しい旋律を、現代の解釈で再構築したといったところか。
バスサックスやFメゾサックス(!)の音をじっくり聴けるという点でも、これは買いだ。
レジーナ・カーターのバイオリンもいい味を出している。
レジーナ・カーターのバイオリンもいい味を出している。
"Gardenias For Lady Day"
ビリー・ホリデイの追悼盤として吹き込まれたもの。
ホリデイと来ればやはり聴くべきは5曲目”Strange Fruit”だろう。「奇妙な果実」という邦題でも有名なスタンダードだが、この曲名の由来はリンチによって殺され、木から吊るされた黒人の死体から来ているのだ。
カーターのサックスはこれでもかというくらいに咆哮し、差別・迫害された挙句殺されてしまった人々の怒り、悲しみを見事に表現している。
ビリー・ホリデイの追悼盤として吹き込まれたもの。
ホリデイと来ればやはり聴くべきは5曲目”Strange Fruit”だろう。「奇妙な果実」という邦題でも有名なスタンダードだが、この曲名の由来はリンチによって殺され、木から吊るされた黒人の死体から来ているのだ。
カーターのサックスはこれでもかというくらいに咆哮し、差別・迫害された挙句殺されてしまった人々の怒り、悲しみを見事に表現している。

トレンチコートにバリトンサックス!
あんた男だぜ。
2008年2月17日日曜日
下品でナンボ!ホンカー特集
「ホンカーって、あれでしょ?ブリブリブギョーみたいなの。ああいうのはキライ。」なんてことぬかしてジャズファン気取ってるOL連中に喝!
というわけで、今回はホンカーについて。

実はホンカーという言葉は結構マイナーで、タフ・テナーもしくはテキサス・テナーなんて呼び方が多かったりする。
彼らの共通項としては、「グロウル奏法」というのがある。
「う~」と唸りながら楽器を吹くことで、「ブキャー」とか「ギョエー」とかいう音が出るのである。どこの誰が始めたのかわからんが、とりあえず40年代に発生したらしい。
※イリノイ・ジャケーは「レスター・ヤングに習ったよ。」と言っていたらしいが、真偽のほどは不明。
で、どんなやつがいるのかというと、
とりあえずビッグ・ジェイ・マクニーリーは必聴だ!
ホンカーといえばまずこの人!演奏の凄さは言うに及ばず、その他で変なエピソードがたくさんあるので、紹介してみる。
<立って吹かない>
昔のライブの写真を見ると、ちゃんと立って吹いていないものの方が多い。
ステージに寝転がってモゾモゾ動いてみたり、ウンチングスタイルで吹いてみたり、バーカウンターの上を歩いたりしている。
ちなみにホンカーはバー・ウォーカー(Bar Walker)なんて呼ばれることもあるが、語源はここら辺から来てるのかもしれん。
<演奏してるとパクられる>

というわけで、今回はホンカーについて。

ビッグ・ジェイ:「ほれほれ~、ブギョ~」
白人の客:「はうあ~!やめれ~!」
実はホンカーという言葉は結構マイナーで、タフ・テナーもしくはテキサス・テナーなんて呼び方が多かったりする。
彼らの共通項としては、「グロウル奏法」というのがある。
「う~」と唸りながら楽器を吹くことで、「ブキャー」とか「ギョエー」とかいう音が出るのである。どこの誰が始めたのかわからんが、とりあえず40年代に発生したらしい。
※イリノイ・ジャケーは「レスター・ヤングに習ったよ。」と言っていたらしいが、真偽のほどは不明。
で、どんなやつがいるのかというと、
とりあえずビッグ・ジェイ・マクニーリーは必聴だ!
ホンカーといえばまずこの人!演奏の凄さは言うに及ばず、その他で変なエピソードがたくさんあるので、紹介してみる。
<立って吹かない>
昔のライブの写真を見ると、ちゃんと立って吹いていないものの方が多い。ステージに寝転がってモゾモゾ動いてみたり、ウンチングスタイルで吹いてみたり、バーカウンターの上を歩いたりしている。
ちなみにホンカーはバー・ウォーカー(Bar Walker)なんて呼ばれることもあるが、語源はここら辺から来てるのかもしれん。
<曲が長い>
1曲1時間なんてのはよくあったらしい。まあ、この手の音楽は今でいうところのクラブカルチャーみたいなものだったかもしれんし、客も聴きに来るというよりは踊りに来る感じであったろうと思う。しかし、1時間てのはなぁ・・・。
ひどいときはドラムのソロをとらせている間に楽屋に戻り、弁当を食っていたらしい。で、ようやくステージに戻ってみたら、客は疲れ果ててみんな帰ってたとか。
<蛍光サックス(?)>
蛍光塗料をサックス本体に塗りたくり、白い手袋をはめる。で、ソロをとりながら暗いステージに出てくると、光るサックスが宙に浮いているように見えるというわけ。
1曲1時間なんてのはよくあったらしい。まあ、この手の音楽は今でいうところのクラブカルチャーみたいなものだったかもしれんし、客も聴きに来るというよりは踊りに来る感じであったろうと思う。しかし、1時間てのはなぁ・・・。
ひどいときはドラムのソロをとらせている間に楽屋に戻り、弁当を食っていたらしい。で、ようやくステージに戻ってみたら、客は疲れ果ててみんな帰ってたとか。
<蛍光サックス(?)>
蛍光塗料をサックス本体に塗りたくり、白い手袋をはめる。で、ソロをとりながら暗いステージに出てくると、光るサックスが宙に浮いているように見えるというわけ。
客は狂喜した(?)だろうが、楽器に変なもの塗るなよ!もう!
<演奏してるとパクられる>
ライブ中にノリノリになって客席を練り歩きながらソロを吹いていたところ、そのまま外に出てしまい、戻ればいいのにそのまま道端で吹きまくってたら警察にパクられてしまった。
とまあ、とにかく色んな意味で凄い人なのだ。
サックス、特にテナーやってる人は聴かなくてはならないぞ!
ここまで書いたら疲れてしまった。その他のホンカーも紹介しようと思ったのに・・・。
とりあえず今日はここまで!
☆次回をお楽しみに☆
とまあ、とにかく色んな意味で凄い人なのだ。
サックス、特にテナーやってる人は聴かなくてはならないぞ!
ここまで書いたら疲れてしまった。その他のホンカーも紹介しようと思ったのに・・・。
とりあえず今日はここまで!
☆次回をお楽しみに☆

2008年2月10日日曜日
バリトンサックス垂れ流し
これまでアルトだけを吹いてきたが、学校から勝手に拝借した楽器でステージに立ったときからバリトンの魅力に取り付かれた。しかし、この楽器は特に初心者からは敬遠されがちである。それには以下の理由が考えられる。
・ まず、姿が異様。やたらとグネグネ曲がった管体がグロテスク。
・ やたらでかい。しかも重い。
・ 低音しか出ない。=サンボーンとかをイメージしている新入生にとっては期待はずれ以外の何ものでもない。
こんなところだろう。
しかし、ファンクバンドで、コンボで、ビッグバンドで、ひとたびバリトンを思い切り吹いたなら、病み付きになること請け合いである。というか、
かっこいいと思わない人に用はないのである。
ステファン・クプカ
とりあえずわかりやすいとこから行くとして、まずはTower Of Powerだろう。
これを持ってないというのはすごくまずい!!今すぐ買うべき名盤ぞろいだ。
ファンクでバリトンといえばTOP、クプカ様をおいて他になし!
ジェリー・マリガン
ジャズで聴くなら、マリガンは外せないだろう。この人がいなかったら、バリトンサックスがソロ楽器としてここまでの地位を確立することはなかっただろう、というほどの偉人である。重い楽器をまるでテナーのように軽快に操り、音は柔らかい。俺の好きなパワー系とは正反対だが、初めて『Night Lights』を聴いたときは衝撃だった。
ハリー・カーネイ
ビッグバンドでのバリトンを語る上での最重要人物といえばエリントン楽団のハリー・カーネイをおいて他になし。
エリントンが亡くなるまで一度も5番の席を明け渡すことのなかったおっさんで「番頭」なんて呼ばれたりもした。「尊敬するバリトン奏者は誰?」との問いに対し、現役で活動する数多のプロバリトン奏者の実に8割以上がハリー・カーネイの名をあげるという(帝国データバンク調べ)。
そこの君!「ハリー・カーネイ知らない」じゃすまされんぞ!!
※『Moods For Girl And Boy』ではストリングスをバックに朗々と吹き上げており、エリントンバンドとは一味違ったカーネイを聴くことができる。俺はわりと好き。
ペッパー・アダムス
なんだか公務員みたいな顔だが、強靭な音を出すペッパー・アダムス。
彼がスタン・ケントン楽団を辞めた直後、ケントンは穴埋めのために2人のバリトンを雇っていたという逸話が残るほどである。パワー系プレイヤーが好きなら避けては通れない!!聴くべし。
レオ・パーカー
レオ・パーカーはR&Bやゴスペルのにおいがプンプンするバリトンである。テクニックではペッパー・アダムスのほうが一枚上手という印象だが、ニヤリとさせられるフレーズが満載で、聴いていて実に心地よい。しかもソロでは大暴れすることもしばしば。極めていい感じである。
サージ・チャロフ
チャーリー・パーカーの影響をもっとも受けたバリトンといえばサージ・チャーロフだろう。ウディ・ハーマンで有名なFour Brothersのバリトンはこの人が吹いている。バンドでこの曲をやるならチャーロフになりきってひたすらコピーせよ!これを読んだ以上、やるしかねぇぞ!
ソロでも何枚かアルバムを出しているが、俺は『Boston Blow Up』のBody And Soulが好きだ。
<関連記事はコチラ>
サージ・チャロフ/Blue Serge
ここまで書いてみたんだが、疲れた。
次回に続くということで勘弁してくれ。
・ まず、姿が異様。やたらとグネグネ曲がった管体がグロテスク。
・ やたらでかい。しかも重い。
・ 低音しか出ない。=サンボーンとかをイメージしている新入生にとっては期待はずれ以外の何ものでもない。
こんなところだろう。
しかし、ファンクバンドで、コンボで、ビッグバンドで、ひとたびバリトンを思い切り吹いたなら、病み付きになること請け合いである。というか、
かっこいいと思わない人に用はないのである。
ステファン・クプカ
とりあえずわかりやすいとこから行くとして、まずはTower Of Powerだろう。
これを持ってないというのはすごくまずい!!今すぐ買うべき名盤ぞろいだ。
ファンクでバリトンといえばTOP、クプカ様をおいて他になし!
ジェリー・マリガン
ジャズで聴くなら、マリガンは外せないだろう。この人がいなかったら、バリトンサックスがソロ楽器としてここまでの地位を確立することはなかっただろう、というほどの偉人である。重い楽器をまるでテナーのように軽快に操り、音は柔らかい。俺の好きなパワー系とは正反対だが、初めて『Night Lights』を聴いたときは衝撃だった。
ハリー・カーネイ
ビッグバンドでのバリトンを語る上での最重要人物といえばエリントン楽団のハリー・カーネイをおいて他になし。
エリントンが亡くなるまで一度も5番の席を明け渡すことのなかったおっさんで「番頭」なんて呼ばれたりもした。「尊敬するバリトン奏者は誰?」との問いに対し、現役で活動する数多のプロバリトン奏者の実に8割以上がハリー・カーネイの名をあげるという(帝国データバンク調べ)。
そこの君!「ハリー・カーネイ知らない」じゃすまされんぞ!!
※『Moods For Girl And Boy』ではストリングスをバックに朗々と吹き上げており、エリントンバンドとは一味違ったカーネイを聴くことができる。俺はわりと好き。
ペッパー・アダムス
なんだか公務員みたいな顔だが、強靭な音を出すペッパー・アダムス。
彼がスタン・ケントン楽団を辞めた直後、ケントンは穴埋めのために2人のバリトンを雇っていたという逸話が残るほどである。パワー系プレイヤーが好きなら避けては通れない!!聴くべし。
レオ・パーカー
レオ・パーカーはR&Bやゴスペルのにおいがプンプンするバリトンである。テクニックではペッパー・アダムスのほうが一枚上手という印象だが、ニヤリとさせられるフレーズが満載で、聴いていて実に心地よい。しかもソロでは大暴れすることもしばしば。極めていい感じである。
サージ・チャロフ
チャーリー・パーカーの影響をもっとも受けたバリトンといえばサージ・チャーロフだろう。ウディ・ハーマンで有名なFour Brothersのバリトンはこの人が吹いている。バンドでこの曲をやるならチャーロフになりきってひたすらコピーせよ!これを読んだ以上、やるしかねぇぞ!
ソロでも何枚かアルバムを出しているが、俺は『Boston Blow Up』のBody And Soulが好きだ。
<関連記事はコチラ>
サージ・チャロフ/Blue Serge
ここまで書いてみたんだが、疲れた。
次回に続くということで勘弁してくれ。
2008年1月22日火曜日
センチな気分になってみるか・・・~バラッド特集~
誰にでもバラードが聴きたくなるときがある。仕事の帰り道、恋人と別れたとき、飲み会の途中にトイレで爆睡してしまった時etc・・・。
というわけで、今回はサックスのバラード名盤を探してみよう。
Phil Woods『Warm Woods』2曲目の「Easy Living」は多くのプレイヤーが演奏しているスタンダードナンバーだが、中でもこれは別格の名演である。「アルト奏者は必ず聴かなければならない!」と叫びたくもなる。
一発録りのアドリブでどうやったらこんなメロディックなフレーズが作れるのか・・・。素晴らしいの一言に尽きる。
他にも「In Your Own Sweet Way」や「Squire’s Parlor」など、名演いっぱい。完成度が極めて高いアルバムである。
Steve Grossman 『Bouncing With Mr. A.T.』何はともあれ聴くべきは「Soul Train」だろう。本家コルトレーンを超える演奏であると思う。カデンツァのようなソロ以外は曲中ではメロディーを淡々と吹くのみでアドリブをほとんどとらないところが憎い!柔らかいが密度の濃い音で、一音一音をすごく丁寧に吹いている(と思われる)。
男は黙ってグロスマン。これである。
Gene Ammons 『Good Bye』
ボステナーの異名をとる名手アモンズの遺作。図らずもGood Byeという題がついてしまったのは偶然であろうか。
本来書くべきは表題曲なんだろうが、ここではあえて2曲目。
なんとポップスの名曲
「Alone Again」
をやっているのだ!
クレジットだけ読むと、ここでギルバート・オサリバンかよ!!と叫びたくなるが、誰もが口ずさむメロディーもアモンズの手にかかるとこんなネチネチとしたジャズに仕上がってしまう。
クサさ丸出しの演奏でもアモンズが吹くと不思議とかっこいいのである。74年死去。
David Murray 『Lovers』
そのものズバリ、バラードばっかやってるアルバム。
フリージャズのおっさんだからといってブギョブギョやってるだけと思ったら大間違い。とりあえず「In A Sentimental Mood」から聴いとこう。出だしの一音目から「おおおおーっ!」となること請け合い。私が女だったら間違いなく惚れている。
Hamiet Bluiett 『With Eyes Wide Open』
私が3度の飯より好きなバリトン奏者。この人もフリーやロフトで有名なのだが、なにしろ音が太いもんだから特にスローな曲では圧倒的に強い。2曲目の「Sing Me A Song Everlasting」のメロディーは一度聴いたら忘れられない。やはり低音楽器はバラードが似合う!
なんというか、どれも名盤ばっかでマニアックさが足りなかったか・・・。まあ今回は入門編ということで夜露死苦!
というわけで、今回はサックスのバラード名盤を探してみよう。
Phil Woods『Warm Woods』2曲目の「Easy Living」は多くのプレイヤーが演奏しているスタンダードナンバーだが、中でもこれは別格の名演である。「アルト奏者は必ず聴かなければならない!」と叫びたくもなる。
一発録りのアドリブでどうやったらこんなメロディックなフレーズが作れるのか・・・。素晴らしいの一言に尽きる。
他にも「In Your Own Sweet Way」や「Squire’s Parlor」など、名演いっぱい。完成度が極めて高いアルバムである。
Steve Grossman 『Bouncing With Mr. A.T.』何はともあれ聴くべきは「Soul Train」だろう。本家コルトレーンを超える演奏であると思う。カデンツァのようなソロ以外は曲中ではメロディーを淡々と吹くのみでアドリブをほとんどとらないところが憎い!柔らかいが密度の濃い音で、一音一音をすごく丁寧に吹いている(と思われる)。
男は黙ってグロスマン。これである。
Gene Ammons 『Good Bye』
ボステナーの異名をとる名手アモンズの遺作。図らずもGood Byeという題がついてしまったのは偶然であろうか。
本来書くべきは表題曲なんだろうが、ここではあえて2曲目。
なんとポップスの名曲
「Alone Again」
をやっているのだ!
クレジットだけ読むと、ここでギルバート・オサリバンかよ!!と叫びたくなるが、誰もが口ずさむメロディーもアモンズの手にかかるとこんなネチネチとしたジャズに仕上がってしまう。
クサさ丸出しの演奏でもアモンズが吹くと不思議とかっこいいのである。74年死去。
David Murray 『Lovers』
そのものズバリ、バラードばっかやってるアルバム。
フリージャズのおっさんだからといってブギョブギョやってるだけと思ったら大間違い。とりあえず「In A Sentimental Mood」から聴いとこう。出だしの一音目から「おおおおーっ!」となること請け合い。私が女だったら間違いなく惚れている。
Hamiet Bluiett 『With Eyes Wide Open』
私が3度の飯より好きなバリトン奏者。この人もフリーやロフトで有名なのだが、なにしろ音が太いもんだから特にスローな曲では圧倒的に強い。2曲目の「Sing Me A Song Everlasting」のメロディーは一度聴いたら忘れられない。やはり低音楽器はバラードが似合う!
なんというか、どれも名盤ばっかでマニアックさが足りなかったか・・・。まあ今回は入門編ということで夜露死苦!
2008年1月2日水曜日
新年一発目:よい音とは何でしょう?
あけましておめでとうございます。
新しい年の始まりとともに、一旦リセットして初心に戻ってみようかと。というわけで、新年一発目は「音」について。
音は個性である。ゆえに、絶対的なただひとつの答えはない。
クラシックの世界ではパーカーの音は好まれないだろうし、例えばフリージャズではわざとヘロヘロの音を出したりすることだってある。
極論をいえば何だっていいのだ。
金属的なバキバキ系だろうが、木管的なやわらかい音だろうが、どうだっていいのである。
ただ、一応の答えというか、
よい音のストライクゾーン
のようなものはあると思う。それは「楽器が鳴ること」と「説得力のある音」の2点に集約される。
※ここからの具体的な話については、私個人の独学によるものではなく、レッスンで教えられた内容の一部抜粋、つまり受け売りである。また、音質等については私の好みが多分に反映されているので、その点ご了承いただきたい。
① 楽器が鳴ること
音を改善するにはアンブッシュアが極めて重要だが、これについては回を改める。
楽器を鳴らす上で重要な他の要素としては、息の量とスピードがあると思う。
楽器というものは一定量以上の息を吹きこまなければ鳴らない。そこで、第1ステップでは息をたくさん入れることに体を慣らすことが重要である。
しかし、息の量を多くするだけではコントロールが利かない。むやみやたらに鳴らそうとすると、いわゆるオーバーブローの状態になってしまうこともある。この傾向は独学で楽器を始めた人に多く、私は今でも悩まされている。
というわけで、第2ステップでは、息のスピードを速めることを考える。
具体的には、マウスピースのボアの中心を、
針の穴を通すようなイメージ
で細く狙ってみる。
この練習を繰り返すことで、楽器を鳴らしつつ余裕を持って演奏することができるようになるはずである。
デイブ・リーブマンの教本。
楽器と身体のコントロールに関しては最も勉強になる本だ。
② 説得力のある音
科学的に分析したわけではないが、音には「重心」のようなものがあると思う。つまり、高音域、低音域どちらの倍音が多く含まれるかという違いである。
そして、低音域の倍音が多く含まれるほうが、倍音の範囲(レンジとでもいうのか)が広がり、結果的に豊かな響きを持つ説得力のある音に近づくのではないかと考えられる。
ここでも当然のごとくアンブシュアが大きく影響するが、
息の方向
も重要なポイントである。
具体的には、リードに直接息をぶつけるように吹くのである。垂直に真下に「吹き下げる」イメージがかなり重要らしい。
ためしに、下あごを突き出すようにして(本来は絶対にやるべきでないが)マウスピースの上部に向かって吹き上げるようにして音を出してみよう。
前者と比べて、何か重心が上にあるような、薄っぺらな音が出てはいないだろうか。
音の重心はあくまで低く!
これはジャズ・サックスにおいては
音の基本がサブトーン
であるということとも無関係ではあるまい。これについては佐藤達也氏もどこぞの雑誌に書いていた記憶がある。
サブトーンについてはここでは省略するが、より低音域を強調する方向に説得力ある音の答えがあるのでは、と考えている(というか、そう教えられている)。
以上の内容は、基本的にすべてのサックスに共通して言えることである。
サブトーンといえば、ベン・ウェブスターは外せないだろう。
楽器が鳴っていると通り越して、ほとんど息の音しか聴こえない(笑)。
繰り返すが、いい音を出すための答えはひとつではない。また、複数の要素が互いに影響し合っており、どこかを改善すればそれで完成というわけにはいかない。
ここに書いたことが正しいか間違っているかは実際に試してみたあと、皆様自身の感覚で判断していただきたい。
※かなり偉そうなことを書いてしまいましたが、「じゃあやってみろ」といわれても困っちゃいます・・・。
毎回レッスンではツッコまれまくってるし。実践してやろうという方はちゃんとした講師の先生に金を払って習いましょう!
新しい年の始まりとともに、一旦リセットして初心に戻ってみようかと。というわけで、新年一発目は「音」について。
音は個性である。ゆえに、絶対的なただひとつの答えはない。
クラシックの世界ではパーカーの音は好まれないだろうし、例えばフリージャズではわざとヘロヘロの音を出したりすることだってある。
極論をいえば何だっていいのだ。
金属的なバキバキ系だろうが、木管的なやわらかい音だろうが、どうだっていいのである。
ただ、一応の答えというか、
よい音のストライクゾーン
のようなものはあると思う。それは「楽器が鳴ること」と「説得力のある音」の2点に集約される。
※ここからの具体的な話については、私個人の独学によるものではなく、レッスンで教えられた内容の一部抜粋、つまり受け売りである。また、音質等については私の好みが多分に反映されているので、その点ご了承いただきたい。
① 楽器が鳴ること
音を改善するにはアンブッシュアが極めて重要だが、これについては回を改める。
楽器を鳴らす上で重要な他の要素としては、息の量とスピードがあると思う。
楽器というものは一定量以上の息を吹きこまなければ鳴らない。そこで、第1ステップでは息をたくさん入れることに体を慣らすことが重要である。
しかし、息の量を多くするだけではコントロールが利かない。むやみやたらに鳴らそうとすると、いわゆるオーバーブローの状態になってしまうこともある。この傾向は独学で楽器を始めた人に多く、私は今でも悩まされている。
というわけで、第2ステップでは、息のスピードを速めることを考える。
具体的には、マウスピースのボアの中心を、
針の穴を通すようなイメージ
で細く狙ってみる。
この練習を繰り返すことで、楽器を鳴らしつつ余裕を持って演奏することができるようになるはずである。
デイブ・リーブマンの教本。
楽器と身体のコントロールに関しては最も勉強になる本だ。
② 説得力のある音
科学的に分析したわけではないが、音には「重心」のようなものがあると思う。つまり、高音域、低音域どちらの倍音が多く含まれるかという違いである。
そして、低音域の倍音が多く含まれるほうが、倍音の範囲(レンジとでもいうのか)が広がり、結果的に豊かな響きを持つ説得力のある音に近づくのではないかと考えられる。
ここでも当然のごとくアンブシュアが大きく影響するが、
息の方向
も重要なポイントである。
具体的には、リードに直接息をぶつけるように吹くのである。垂直に真下に「吹き下げる」イメージがかなり重要らしい。
ためしに、下あごを突き出すようにして(本来は絶対にやるべきでないが)マウスピースの上部に向かって吹き上げるようにして音を出してみよう。
前者と比べて、何か重心が上にあるような、薄っぺらな音が出てはいないだろうか。
音の重心はあくまで低く!
これはジャズ・サックスにおいては
音の基本がサブトーン
であるということとも無関係ではあるまい。これについては佐藤達也氏もどこぞの雑誌に書いていた記憶がある。
サブトーンについてはここでは省略するが、より低音域を強調する方向に説得力ある音の答えがあるのでは、と考えている(というか、そう教えられている)。
以上の内容は、基本的にすべてのサックスに共通して言えることである。
サブトーンといえば、ベン・ウェブスターは外せないだろう。
楽器が鳴っていると通り越して、ほとんど息の音しか聴こえない(笑)。
繰り返すが、いい音を出すための答えはひとつではない。また、複数の要素が互いに影響し合っており、どこかを改善すればそれで完成というわけにはいかない。
ここに書いたことが正しいか間違っているかは実際に試してみたあと、皆様自身の感覚で判断していただきたい。
※かなり偉そうなことを書いてしまいましたが、「じゃあやってみろ」といわれても困っちゃいます・・・。
毎回レッスンではツッコまれまくってるし。実践してやろうという方はちゃんとした講師の先生に金を払って習いましょう!
2007年12月30日日曜日
スプリングスティーンの黄金時代
私はブルース・スプリングスティーンが大好きだ。70年代にデビューし、「ロックンロールの未来を見た」と評され、一気にスターダムにのし上がったロッカーである。いかにもアメリカンな雰囲気の疾走するような曲調と思わずライナーノーツを読ませる深い詩、咆哮のごときサックスが素晴らしい。
数あるアルバムの中でも『Born To Run(明日なき暴走)』は名盤中の名盤である。
余談だが、私がサックスを始めたきっかけはスプリングスティーンなのだ。初めて聴いた中学2年のときに衝撃を受け、「高校に行ったらサックスをやろう!」と思ったときのことは今でも忘れていない。
余談だが、私がサックスを始めたきっかけはスプリングスティーンなのだ。初めて聴いた中学2年のときに衝撃を受け、「高校に行ったらサックスをやろう!」と思ったときのことは今でも忘れていない。
で、スプリングスティーンがつい最近新しいアルバムを出した。早速聴いてみたのだが、なにかが足りない。たしかにかっこいいのだが、鳥肌が立つような感じがしない。
聴いた瞬間に「なんだこりゃあ!」と思わず叫んでしまうような音楽に、歌詞を何度も読み返してしまうような曲に出会った経験は皆様にも少なからずあるのではないだろうか。
私にとってBorn To Runはまさしくそれだった。全曲はずれなし。疾走感というか、スピード感があった。地平線まで続くハイウェイをV8気筒のシボレーで突っ走る風景が見えるようだった。
しかし、今回のアルバムにはそれがない。というより、これまでBorn To Runを超えるアルバムは出ていないのではあるまいか。
初期は青春群像の描写が目立ったが、社会的なテーマを歌うように作風も変わっていくので、一概に比較すべきではないかもしれない。他が駄目だというつもりもない。『Nebraska』も名作だと思うし、『Ghost Of Tom Joad』もいい。
が、それでもBorn To Runを超えるように思えないのである。
これはスプリングスティーンに限ったことではない。初期に決定的な作品が生まれてしまい、その後超えるものを作ることができなくなる例は他にも多い。
メンバー、環境、そして時代。全ての条件がそろったときにこのような作品が誕生するのではないだろうか。たとえ技量が増していっても同じものはできない。そんなことを考えてしまう。
『Born In The USA』についてはまたの機会に。しかし、しょっぱなからサックスに関係ないことばっか・・・。
先が思いやられる。
2007年12月27日木曜日
勝手に楽器が増えてゆく

何から書こうか。とりあえず楽器の紹介でもしてみようか。
アルト:H.Selmer Mark7
高校2年のときに購入。音程に若干クセがあるらしいが、なにしろ思い入れが強いのでこれからも買い換えることはないだろう。最近は他の楽器と吹き比べたりしていないので自分ではよくわからないが、師曰く「Mark7にしておとなしいが、結構鳴る。」とのこと。やっぱりアルトは最高である。
バリトン:H.Selmer Mark6
2本目はなんとバリトンを買ってしまった。1日10時間ぐらいバイトした。あれはキツかった・・・。
ラッカーが剥げて赤茶色になった管体はまさに「安中の精錬所」。
もともとはプロの方が使っていたが、バリトンでは仕事が少なくて食えないので売ってしまったのだそうだ。古い楽器には物語があるものだ。誰がどんな曲を吹いていたのだろうか、どんな気持ちで手放したのであろうか、などと考えてみると、そこには熱いロマンを感じることができまいか。仮に知ったとしても腕の上達には少しも寄与しないが、私にとっては魅力的だ。1964年製造。
ソプラノ:ヤナギサワ901
「ビッグバンドでリードをやりたいなら買え!」という先輩の命令により購入した3本目。下位機種だが、音程はとてもよい。ソプラノだけは、音程及び演奏により多くの慣らしが必要になると考えたため、最もノーマルなものを選んだ。デタッチャブル式のネックよりも一体成型のほうが鳴りはストレートでよい、という話も聞くが、真偽は判断できず。
同型をお持ちの方へ。プロでも901やヤマハを使っている人は大勢います。「やっぱりアメセルのほうがよかったかしら。」などと言わず、持っている楽器でがんばって練習しよう。
テナー:Martin Handcraft CommitteeⅡ
ついに4本目を最近買ってしまった。ド素人のくせに楽器4本・・・。俺はやっぱりおかしいのか・・・。自己批判はさておき、この楽器は1941年製、下手すると戦前の楽器である。店頭の表示ではオリジナルラッカーらしく、これが本当ならば素晴らしい保存状態といえるだろう。文化遺産といっても過言ではない。
現在は中古・ヴィンテージサックスのマーケットは確立しているが、その昔日本が太平洋戦争に負けて米軍に占領され、各地に基地が建設され始めた時代、特にマーチンは「G.Iが質入した楽器が流れている」と噂されたそうである。
真珠湾攻撃が行われたのと同じころ、インディアナ州エルクハートの工場でこの楽器は生まれ、66年後に極東のしがないリーサラの許に・・・。なんとロマンチックなのか!バカといわれてもいい、私はやっぱりサックスが大好きである。
高校2年のときに購入。音程に若干クセがあるらしいが、なにしろ思い入れが強いのでこれからも買い換えることはないだろう。最近は他の楽器と吹き比べたりしていないので自分ではよくわからないが、師曰く「Mark7にしておとなしいが、結構鳴る。」とのこと。やっぱりアルトは最高である。
バリトン:H.Selmer Mark6
2本目はなんとバリトンを買ってしまった。1日10時間ぐらいバイトした。あれはキツかった・・・。
ラッカーが剥げて赤茶色になった管体はまさに「安中の精錬所」。
もともとはプロの方が使っていたが、バリトンでは仕事が少なくて食えないので売ってしまったのだそうだ。古い楽器には物語があるものだ。誰がどんな曲を吹いていたのだろうか、どんな気持ちで手放したのであろうか、などと考えてみると、そこには熱いロマンを感じることができまいか。仮に知ったとしても腕の上達には少しも寄与しないが、私にとっては魅力的だ。1964年製造。
ソプラノ:ヤナギサワ901
「ビッグバンドでリードをやりたいなら買え!」という先輩の命令により購入した3本目。下位機種だが、音程はとてもよい。ソプラノだけは、音程及び演奏により多くの慣らしが必要になると考えたため、最もノーマルなものを選んだ。デタッチャブル式のネックよりも一体成型のほうが鳴りはストレートでよい、という話も聞くが、真偽は判断できず。
同型をお持ちの方へ。プロでも901やヤマハを使っている人は大勢います。「やっぱりアメセルのほうがよかったかしら。」などと言わず、持っている楽器でがんばって練習しよう。
テナー:Martin Handcraft CommitteeⅡ
ついに4本目を最近買ってしまった。ド素人のくせに楽器4本・・・。俺はやっぱりおかしいのか・・・。自己批判はさておき、この楽器は1941年製、下手すると戦前の楽器である。店頭の表示ではオリジナルラッカーらしく、これが本当ならば素晴らしい保存状態といえるだろう。文化遺産といっても過言ではない。
現在は中古・ヴィンテージサックスのマーケットは確立しているが、その昔日本が太平洋戦争に負けて米軍に占領され、各地に基地が建設され始めた時代、特にマーチンは「G.Iが質入した楽器が流れている」と噂されたそうである。
真珠湾攻撃が行われたのと同じころ、インディアナ州エルクハートの工場でこの楽器は生まれ、66年後に極東のしがないリーサラの許に・・・。なんとロマンチックなのか!バカといわれてもいい、私はやっぱりサックスが大好きである。
2007年12月9日日曜日
主旨(?)
ブログでも始めてみるか、というわけで『安中の精錬所』を開設した。サックスに興味が無い人には面白くもなんともない内容になるであろうが、知ったことではない。俺が気分に任せて情報とも呼べない情報を発信するためだけのものだからである。なので、マスターベーションと揶揄されても反論できない。
では、張り切っていってみよう。
では、張り切っていってみよう。
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