バリトンのワンホーン・カルテットでは飽足らず、バリトン4本+ドラムという
とてつもなくアホで
最高に刺激的なグループまで作ってしまった。
何故にこういうおもしろいことを思いつくのか。
気になるメンバーは
Hamiet Bluiett(bs)
James Carter(bs)
Alex Harding(bs)
Patience Higgins(bs)
Ronnie Burage(ds)
野太いバリトン4人衆にファンキードラム。濃くて仕方がない。
以前ご紹介した”International Baritone Saxophone Conspiracy” もバリトン4本アンサンブルだが、あれは見方によれば現代音楽に近い。
対して本作は汁もしたたる黒人パワーそのものだ。
当然の如くアバンギャルドなカオスジャズが展開されるが、基本的スタンスはフリージャズよりもむしろ
ファンクに近い
(よって、前衛アレルギーのある方にも聴きやすいかと思う)。
1曲目はのっけからCマイナー一発のファンクだが、ジェームス・カーターのべースラインが始まった瞬間思わず腰をパコパコして(?)踊りたくなること請け合いだ。
このアルバムにおいてもっとも価値があるのは、バリトンサックスという楽器の様々な可能性を聴くことができる点にある。
低音を支えるベースラインは無論、フラジオなどの特殊奏法を多用した圧倒的なソロ楽器、さらにはスラップタンギングを使った打楽器としての側面まで飛び出す。
ワールド・サキソフォン・カルテットとはまた違う、バリトンオンリーのドロドロな世界を堪能できる。
バリトンサックスは低音しか出ない、重くてデカイだけの楽器なんて思ってる貴方(貴女)!
バリトンの臨界点を覗いてみないか?
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