久々の更新になってしまった・・・。
前回はズート・シムズについて書いたが、本日ご紹介するのはバリトンサックスの雄ペッパー・アダムスとの競演盤"Encounter!"である。
1968年録音。
ペッパー・アダムスといえば、説明不要のブリブリゴリゴリのバリトンだが、クール派テナーのズート・シムズとの競演が異色の作品だ。
アダムスの名盤としては"Critics Choice"や"10 To 4 At Five-Spot"が挙げられることが多いが、
アダムスのスローナンバーが聴きたいならば、
少々渋めの本作を推したい。
何はともあれ、エリントンで有名な"Star Crossed Lovers"が出色の出来栄えだ。
ズートとの2管だが、曲は4分弱と短く、ソロもあまりない。
が、印象的なテーマを通して、二人のプレイヤーの音をじっくりと聴くことができる。
アダムスの演奏は偉大なるエリントン楽団の番頭ハリー・カーネイに捧げたもののようにも聴こえるのだ。
また、アダムスがワンホーンでしっとりと聴かせる"I've Just Seen Her"もこれまた名演である。
バリトンはエッジは立っているが、音の中は柔らかいというような印象で、これがバラッドにバッチリハマるのである。
←なんとも頼りない、公務員のようなツラだが、比類なき強靭な音を出した歴史的バリトン・バッパーである。
メンバーは以下の通り。
Pepper Adams (Bs)
Zoot Sims (Ts)
Tommy Flanagan (P)
Ron Carter (Ba)
Elvin Jones (Ds)
この面子だけでも、聴くのは義務といってよいだろう。
残念なのは、アダムスのバリトンの録音がテナーに比べて小さいことだ。
エルヴィン・ジョーンズのドラムはドカドカうるさく録れているにも関わらずである。
録音環境によるものだろうが、もう少し何とかならんのか。
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