久しぶりの更新になってしまった。
今回はディスク・ユニオンとのコラボで話題になった漫画『坂道のアポロン』についてでも。
私個人をご存知の方であれば、少女漫画を読んでるなんて聞いたら頭がおかしくなったと思うだろう。
自分でも少々恥ずかしい。
しかし、これがなかなか面白いのだ。
1966年初夏、父親の仕事の都合で、横須賀から長崎県の田舎町へ転校してきたボンボン・薫。
ひょんなことから不良のジャズ・ドラマー千太郎と出会い、それまで苦しいだけだった薫の高校生活は思わぬ方向へ進むことになる。
千太郎の影響から、クラシック・ピアノしか知らなかった薫はジャズに夢中になり、二人は親友になっていく。
とまあ、あらすじはこんな感じである。
何がおもしろいって、
この漫画からはジャズの熱気が伝わって来るのだ。
音楽が聴こえてくる漫画というのは、そうはないだろう。
メインキャラクターの二人がセッションをするシーンが頻繁に出てくるのだが、これがたまらなく楽しそうで、メッセンジャーズの"Moanin'"やマイルスの"Four"が無性に聴きたくなる。
物語としては、登場人物たちが音楽に熱中し、恋愛に心を焦がし、他人に嫉妬し、家族に悩み・・・等々、ありがちな青春白書的展開ではあるが、
高校時代独特の眩しさ、思春期の危うさを実に上手く描いていて、妙になつかしい気分にさせてくれる。
著者が主人公たちにジャズを演らせたのには、「人生は何があるかわからない、アドリブようなもんだよ」、というメッセージが織り込まれているのかもしれない。
うるっと来るシーンもあり、結構オススメである。
関連記事
アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ/"A Night In Tunisia"
0 件のコメント:
コメントを投稿