2010年10月18日、マリオン・ブラウン逝く。
不覚にも最近まで知らなかった・・・。
←ESPから出たカルテットのレコード。
見つけたら買っておこう。
60年代中盤、フリージャズが一気に台頭した時代に頭角を現した前衛派のアルトだが、わけのわからんノイズをただ撒き散らす如き演奏をすることはなかった。
失礼を承知で言わせていただくと、アルト奏者としてはヘタである。
綺麗で繊細な音を出すプレイヤーで、指もそんなに回らない。
太い音で押してくるような演奏が好きな俺としては「もうちょっと気合を入れんかオッサン!」と言いたくなるときもままあるのだが、淡々とした、しかし聴衆に媚びることのないフレーズを吹くマリオンが不思議と好きであった。
“Offering”
92年録音、コルトレーンに捧げるというテーマの作品。
スローな曲が多いので、丸くなったようで少々物足りなさも感じるが、ヘタクソでも印象的なフレーズ、シンプルかつ美しい音は60年代とあまり変わらなくていい。
ヴィーナス・レコードから出ているのは何か気に入らないが、
それは置いとこう。
5曲目”Golden Lady”はなんとなく雰囲気がエリック・サティ。
それもそのはず、マリオンはサティの研究に明け暮れていた時期があったのだ。
最後を飾るコルトレーンの名曲”After The Rain”では、牧歌的な風景が見えてくるような、純粋なアルトを聴くことができる。
ちなみに
コルトレーン世紀の問題作(?)”Ascension”では、うまいんだかヘタなんだかよくわからんソロを吹くマリオンを聴くことができる。
☆次回をお楽しみに☆
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