2012年1月8日日曜日

日野元彦カルテット feat. 山口真文(Ts) / "流氷"

文句なしの大名盤である。これを聴いてかっこいいと思わない奴に用はない。
つくづくスリー・ブラインド・マイスはさすがだなぁと思わされる。しかし、なぜこの名盤をちゃんとCD化しないのか。まったくもってけしからん。



1976年2月に根室市民会館で行われたライブの実況録音である。
とりあえず今では考えられない面子がそろっている。

日野元彦(ドラム)、渡辺賀津美(ギター)、井野信義(ベース)、清水靖晃(テナー、ソプラノ)、そしてゲストに山口真文(テナー)
す、すげぇ・・・。

表題曲「流氷」はモード一発の曲だが、キメの印象的なテーマが一気に興奮を誘う。ここで2テナーのソロが炸裂する。
山口真文さんはさすがの落ち着きぶりだ。熱気を孕んだフレーズの中にもどっしりとした貫禄が感じられる。次が清水靖晃の激情的なテナー。ファズトーンから一気に駆け上がり、コンテンポラリーな速射砲フレーズを吹きまくる。この時若干20歳。若さゆえの饒舌さなのか。
二人の演奏は、言うなれば「静」と「動」のテナー。それを煽る日野さんのまるでロックのようなドラム。これは必聴である。

スタンダード"Soultrain"も収録しているが、これは山口さんのテナーをフィーチャリングしている。
渋すぎる。こんないい音で吹くことが出来たらどんな気持ちだろうか。
武田和命さんの名演とはまた違った味わいがある。

レコードでも中古屋で見つけたら即買いすべき一枚だ。借り物でない日本ジャズのパワーと熱気が詰まっている。


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