2010年最後の日にふさわしいプレイヤーについて何か書こうと考えたのだが、
エリック・ドルフィーを選んだ。
※ドルフィーについては様々な文献で書き尽くされているが、大晦日だし気にしない。
行き詰ったハードバップの時代から、モードとも違う方法で脱却し、フリージャズへの架け橋となったが、その先に行く前に死んでしまった。
仮にドルフィーがそのまま生きていたなら、60年代以降のジャズも今とはまったく違った様相を呈していたかもしれない。
Far Cry
こんなこと書くとジャズファンの方々にぶん殴られるかもしれないが、ドルフィーを聴いてもなにをやってんだかまったくわからない。
が、それがまた極め付けに面白いとこでもある。
2010年12月31日金曜日
2010年12月27日月曜日
サージ・チャロフ/"Blue Serge"
ジャズ・バリトンサックスの第一人者といえばジェリー・マリガンなのであろうが、そんなこた知らん。俺はサージ・チャロフが好きだ。
世代的にはチャロフはマリガンの先輩。言うなれば、
白人バリトンソロイストの元祖なわけだ。
モノクロの写真に青が映えるジャケットアートが秀逸だ。
本作は56年録音の名盤、最後のリーダーアルバム。
享年34歳。あまりにも早過ぎる死である。
テナーと聴き間違うほどの軽やかなサウンドだが、フォルテッシモになった瞬間にショートベルのバリトンから噴出す音は極太。
フレーズ中に突然最低音をボフッと使うあたりからも、バリトンソロイストっぷりが伺える。
4曲目"All The Things You Are"の流麗なバップフレーズ。
そしてアルバム最後を飾るバラード"Stairway To The Stars"。
『銀河への架け橋』とでも訳そうか。
情景が目に浮かぶような美しい曲に情感たっぷりのバリトンサックスソロ。チャロフはスローな曲で抜群の表現力を発揮するプレイヤーのようだ。
今更ながら自信をもってオススメする、ジャズ・バリトンサックス名盤中の名盤である。
世代的にはチャロフはマリガンの先輩。言うなれば、
白人バリトンソロイストの元祖なわけだ。
モノクロの写真に青が映えるジャケットアートが秀逸だ。
本作は56年録音の名盤、最後のリーダーアルバム。
享年34歳。あまりにも早過ぎる死である。
テナーと聴き間違うほどの軽やかなサウンドだが、フォルテッシモになった瞬間にショートベルのバリトンから噴出す音は極太。
フレーズ中に突然最低音をボフッと使うあたりからも、バリトンソロイストっぷりが伺える。
4曲目"All The Things You Are"の流麗なバップフレーズ。
そしてアルバム最後を飾るバラード"Stairway To The Stars"。
『銀河への架け橋』とでも訳そうか。
情景が目に浮かぶような美しい曲に情感たっぷりのバリトンサックスソロ。チャロフはスローな曲で抜群の表現力を発揮するプレイヤーのようだ。
今更ながら自信をもってオススメする、ジャズ・バリトンサックス名盤中の名盤である。
2010年12月25日土曜日
J.R.モンテローズ/"Straight Ahead"
ジャズファンの間では、J.R.モンテローズは初心者を寄せ付けない、マニア好みのテナーとされているらしい。
寺島靖国さん曰く、「日陰者のテナー」。
たしかに、言い得て妙だ。
ハードバップ時代のプレイヤーだが、ぶつ切りにしたようなフレージングは流暢とは言い難い。
これといった華があるようにも思わんし、
「だったらロリンズ聴けばいいだろが。」という声が聞こえてきそうである。
しかしそれでもなお、確実にモンテローズファンがいるのは、やはり「音」だろう。
ちょっと掠れたような、サブトーン満載の太い低音。
高音域はアクセントをはっきりつけるブツ切りサウンド(モンテローズ節)も手伝って、ともすればマクリーンのアルトのように聞こえる時さえある。
これがモンテ中毒の秘密なのかもしれん・・・。
“Straight Ahead”
※『ザ・メッセージ』は再発されたタイトルなので内容は同じだよ。
“Violets For Your Furs”(コートにすみれを)の名演で有名な68年録音盤。
サブトーン全開の”I Remember Clifford”に、これぞハードバップと言うべき”Short Bridge”。
ブルーノート盤が一般的に人気らしいが、
私はコレが一番モンテローズらしさが出ていると思う。
たまにはこういう激渋なのも聴いてみると新鮮だなぁと・・・。
しかし、たかがCDがなんでこんなに高いのか。わけがわからん。
これじゃ誰も買わんだろうに。
■Musicians
J.R.Monterose (ts)
Tommy Flanagan (p)
Jimmy Garrison (b)
Pete La Roca (ds)
☆それでは次回をお楽しみに☆
寺島靖国さん曰く、「日陰者のテナー」。
たしかに、言い得て妙だ。
ハードバップ時代のプレイヤーだが、ぶつ切りにしたようなフレージングは流暢とは言い難い。
これといった華があるようにも思わんし、
「だったらロリンズ聴けばいいだろが。」という声が聞こえてきそうである。
しかしそれでもなお、確実にモンテローズファンがいるのは、やはり「音」だろう。
ちょっと掠れたような、サブトーン満載の太い低音。
高音域はアクセントをはっきりつけるブツ切りサウンド(モンテローズ節)も手伝って、ともすればマクリーンのアルトのように聞こえる時さえある。
これがモンテ中毒の秘密なのかもしれん・・・。
“Straight Ahead”
※『ザ・メッセージ』は再発されたタイトルなので内容は同じだよ。
“Violets For Your Furs”(コートにすみれを)の名演で有名な68年録音盤。
サブトーン全開の”I Remember Clifford”に、これぞハードバップと言うべき”Short Bridge”。
ブルーノート盤が一般的に人気らしいが、
私はコレが一番モンテローズらしさが出ていると思う。
たまにはこういう激渋なのも聴いてみると新鮮だなぁと・・・。
しかし、たかがCDがなんでこんなに高いのか。わけがわからん。
これじゃ誰も買わんだろうに。
■Musicians
J.R.Monterose (ts)
Tommy Flanagan (p)
Jimmy Garrison (b)
Pete La Roca (ds)
☆それでは次回をお楽しみに☆
2010年12月22日水曜日
女のアルト ヴァイ・レッド/"Bird Call"
き、来ました!
パーカー派女アルト奏者、ヴァイ・レッド(Vi Redd)の
激レア盤がようやくCD化されることと相成った!
1928年生まれ。エリック・ドルフィーとは学友、ハンプトン・ホーズとはセッション仲間だったらしい。
(なんだ、そのうらやましいシチュエーションは!!)
実力の割りに過小評価されているアルト兼ヴォーカリストである。
特に国内での知名度は低いといわざるを得ない。
が、レコードに針を落とせばバキッとしたパーカー直系のゴキゲンな(古いな・・・)アルトソロが飛び出す。パワーは男勝りだ。
さらに、ブルースに根ざすザラッとした声質のヴォーカル。
本作は、パーカーのナンバーやスタンダードを中心に取り上げているわけだが、
どアタマから彼女の声にグッとくる1曲目”If I Should Lose You”、パーカーの名曲”Anthropology”、ガーシュインの”Summertime”など、
これでもかという名曲が揃う。
しかし!俺が個人的に
強烈にオススメ
したいのはスローナンバー”Old Folks”。
この音の伸びは一体なんなのだ。泣かせるポイントを心得とる。
そして、ヴィブラフォンの語りかけるようなソロが続く。
アルバムのラストに相応しい、まさに名演。
こういう珍名盤の中に、聴いたことのないすばらしい演奏が埋もれている。これだからレコード漁りはやめらないのだ。
■Musicians
Vi Redd (as,vo)
Kansas Lawrence (tp)
Roy Ayers (vib)
Russ Freeman (p)
Leroy Vinneger (b)
Richie Goldberg (ds)
Herb Ellis (gt)
Bob Whitlook (b)
関連記事
ソニー・スティット/"Newyork Jazz"
エリック・ドルフィー/"Far Cry" および大晦日のご挨拶
パーカー派女アルト奏者、ヴァイ・レッド(Vi Redd)の
激レア盤がようやくCD化されることと相成った!
1928年生まれ。エリック・ドルフィーとは学友、ハンプトン・ホーズとはセッション仲間だったらしい。
(なんだ、そのうらやましいシチュエーションは!!)
実力の割りに過小評価されているアルト兼ヴォーカリストである。
特に国内での知名度は低いといわざるを得ない。
が、レコードに針を落とせばバキッとしたパーカー直系のゴキゲンな(古いな・・・)アルトソロが飛び出す。パワーは男勝りだ。
さらに、ブルースに根ざすザラッとした声質のヴォーカル。
本作は、パーカーのナンバーやスタンダードを中心に取り上げているわけだが、
どアタマから彼女の声にグッとくる1曲目”If I Should Lose You”、パーカーの名曲”Anthropology”、ガーシュインの”Summertime”など、
これでもかという名曲が揃う。
しかし!俺が個人的に
強烈にオススメ
したいのはスローナンバー”Old Folks”。
この音の伸びは一体なんなのだ。泣かせるポイントを心得とる。
そして、ヴィブラフォンの語りかけるようなソロが続く。
アルバムのラストに相応しい、まさに名演。
こういう珍名盤の中に、聴いたことのないすばらしい演奏が埋もれている。これだからレコード漁りはやめらないのだ。
■Musicians
Vi Redd (as,vo)
Kansas Lawrence (tp)
Roy Ayers (vib)
Russ Freeman (p)
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Richie Goldberg (ds)
Herb Ellis (gt)
Bob Whitlook (b)
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2010年12月16日木曜日
片山広明/”Ninety-Nine”
「ジャズに目覚め演奏活動を始めて以来ずっと、私の目指すのはスゴイ音だった。
ハッタリと言われようが、フレーズがない(?)と言われようが、渋さを知らないと言われようが、スゴイ音楽をやりたかったのだ。」
(”Ninety-Nine”ライナーノーツより抜粋)
片山さんの演奏をライブで見たことがある。本当に「スゴイ」音だった。
本作は1987年に『ドライ・シェリー』としてLPで発売されたものの復刻盤である。
このLPは数百枚しか発表されなかったもので、都内各所のディスクユ?オンで探し回ったが結局見つからなかったっけ。
テナーに、ベース、ドラムのトリオによる演奏。たった3人でこんなに音が分厚くなるものなのか。
私は何しろ1曲目が好きだ。超スタンダードの”My One And Only Love”。
8分の3拍子で演るにも関わらず、その音はまさにジャズ。4ビートしか認めないなどとほざく奴は引っ込んでおれと。
この1曲目を聴くと、「ああ、この人はメロディーメーカーなんだ。」と思う。
獣の咆哮の如き野性味あふれるテナーにそこはかとなく感じる哀愁は一体何なのか。
リズムセクションはこれでもかという重さ。
外タレの猿真似ではない、80年代日本ジャズの隠れ名盤と思う。
■Musicians
片山広明(Ts)
早川岳晴(B)
つの犬(Ds)
■Songs
1,My One And Only Love
2,Time Manager
3,504
4,99
5,An Emotion
6,Dry?Drei?
7,Good Bye Pork Pie Hat
8,Bye Bye
ちなみに
片山さんは酒飲みで有名である。
リハでもレコーディングでもちびちびやりながらだそうである。
某ライブハウスのスタッフは片山さんの体調を気遣って、ほとんど焼酎の入っていないウーロンハイを出すらしい(あ、これ片山さん読んだら怒るかな・・・。)
関連記事
竹内直(Ts,Fl) / "Live At Star Eyes featuring 後藤浩二"
ハッタリと言われようが、フレーズがない(?)と言われようが、渋さを知らないと言われようが、スゴイ音楽をやりたかったのだ。」
(”Ninety-Nine”ライナーノーツより抜粋)
片山さんの演奏をライブで見たことがある。本当に「スゴイ」音だった。
数ミリの幅しかないマウスピースとリードの隙間に全力で息をぶち込むような、凄まじいステージであった。
本作は1987年に『ドライ・シェリー』としてLPで発売されたものの復刻盤である。
このLPは数百枚しか発表されなかったもので、都内各所のディスクユ?オンで探し回ったが結局見つからなかったっけ。
テナーに、ベース、ドラムのトリオによる演奏。たった3人でこんなに音が分厚くなるものなのか。
私は何しろ1曲目が好きだ。超スタンダードの”My One And Only Love”。
8分の3拍子で演るにも関わらず、その音はまさにジャズ。4ビートしか認めないなどとほざく奴は引っ込んでおれと。
この1曲目を聴くと、「ああ、この人はメロディーメーカーなんだ。」と思う。
獣の咆哮の如き野性味あふれるテナーにそこはかとなく感じる哀愁は一体何なのか。
リズムセクションはこれでもかという重さ。
外タレの猿真似ではない、80年代日本ジャズの隠れ名盤と思う。
■Musicians
片山広明(Ts)
早川岳晴(B)
つの犬(Ds)
■Songs
1,My One And Only Love
2,Time Manager
3,504
4,99
5,An Emotion
6,Dry?Drei?
7,Good Bye Pork Pie Hat
8,Bye Bye
ちなみに
片山さんは酒飲みで有名である。
リハでもレコーディングでもちびちびやりながらだそうである。
某ライブハウスのスタッフは片山さんの体調を気遣って、ほとんど焼酎の入っていないウーロンハイを出すらしい(あ、これ片山さん読んだら怒るかな・・・。)
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ラベル
・片山広明(Ts),
テナーサックス,
フリージャズ/アバンギャルド,
日本ジャズ
2010年12月14日火曜日
SAXEMBLE(ジェームス・カーター)
ブログには統計表示機能というのがあって、ページを見てくれた方がどんなキーワードでたどり着いたか、どの記事が頻繁に読まれているかなどを管理者は知ることができる。
で、当ブログで最近人気なのは
ジェームス・カーター(James Carter)らしい笑。
近頃はおとなしくなってつまらんとの批評も聞くが、時期やアルバムによって差はあるものの、やはりカーターはめちゃくちゃで面白い。
というわけで、今回はカーター絡みのアルバム”Saxemble”をご紹介。
※実はこれ、フランク・ロウがリーダーのグループらしい。が、ロウについては書くことがないので素通りすることにする。ロウさん、すみません。
「サックスアンサンブル」を短くしてみました、みたいな安易なアルバムタイトルはどうにかならんのかと思うが、まあいいとしよう。
俺はメンバーと曲目を見て即買いした。
■Musicians
James Carter (As,Ts,Bs)
Frank Lowe (Ts)
Michael Marcus (Manzello,Bass sax)
Cassius Richmond (As)
Cindy Blackman (Ds)
with
Alex Harding (Bs)
Bobby Lavell (Ts)
サックス6本(!)+ドラムという、なんとも凄まじい編成だ。
で、当ブログで最近人気なのは
ジェームス・カーター(James Carter)らしい笑。
近頃はおとなしくなってつまらんとの批評も聞くが、時期やアルバムによって差はあるものの、やはりカーターはめちゃくちゃで面白い。
というわけで、今回はカーター絡みのアルバム”Saxemble”をご紹介。
※実はこれ、フランク・ロウがリーダーのグループらしい。が、ロウについては書くことがないので素通りすることにする。ロウさん、すみません。
「サックスアンサンブル」を短くしてみました、みたいな安易なアルバムタイトルはどうにかならんのかと思うが、まあいいとしよう。
俺はメンバーと曲目を見て即買いした。
■Musicians
James Carter (As,Ts,Bs)
Frank Lowe (Ts)
Michael Marcus (Manzello,Bass sax)
Cassius Richmond (As)
Cindy Blackman (Ds)
with
Alex Harding (Bs)
Bobby Lavell (Ts)
サックス6本(!)+ドラムという、なんとも凄まじい編成だ。
2010年12月6日月曜日
ハミエット・ブルーイット(バリトンサックス)
待ってました、大統領。
真打登場である。
俺の一番好きなバリトンプレイヤー、
ハミエット・ブルーイット(Hamiet Bluiett)。
世では70年代ロフト・ジャズやワールド・サキソフォン・カルテットでの活躍が有名。
基本スタイルは無論フリージャズなのだが、演奏形態は様々。バリトンサックスグループを率いたり、パーカッションと競演してアフリカン・スピリチュアルになってみたり・・・。
ごちゃごちゃ書いても仕方ない。
ともかく、ショートベルのバリトンから噴出す
地鳴りのような音を聴け!
あ、写真はLow A付だった・・・。しまった笑
“With Eyes Wide Open”
ブルースからアフリカン、スローナンバーまで入っていてお得な一枚。
3曲目の”Monk&Wess”なんか、どアタマから「ブベブベ ブベブベーベレベっ」と、バリトンサックスはかくあるべき、てな具合のテーマが飛び出てきてギャハハと笑いがこみ上げてくる。
これだからモンクなのかと、妙に納得してしまう。
それが一転、5曲目のバラード”Song For Camille”になると、状況は一変する。
心の琴線に触れるメロディーというのは、掛け値なしにいい。
この曲はアルトやテナーではだめだ。バリトンでないと。
“Live At Village Vanguard”
ブルーイットのバリトンはアホみたいによく歌う。
全曲スローナンバーだが、当然単なる甘ったるいバラードブックではない。
バラードを吹いてもマリガンのようにはならないわけで、流麗さとかそんなヤワな表現とは無縁の、ひたすら男臭い演奏になる。
リズムセクションの好サポートも印象的だ。4曲目冒頭の4分半にも及ぶベースソロなど、途中から熱気むんむんである。
じっくり聴きたい方には強烈にオススメする。
*******************************************************************************
ブルーイット名義のアルバムはそこそこ多い。
なんでもかんでもオススメなわけではないし、前衛がベースのスタイルが好きかにもよる。
しかし、
これを聴かずに一体何を聴くというのか
失敬、少々興奮してしまった。
おしまい。
真打登場である。
俺の一番好きなバリトンプレイヤー、
ハミエット・ブルーイット(Hamiet Bluiett)。
世では70年代ロフト・ジャズやワールド・サキソフォン・カルテットでの活躍が有名。
基本スタイルは無論フリージャズなのだが、演奏形態は様々。バリトンサックスグループを率いたり、パーカッションと競演してアフリカン・スピリチュアルになってみたり・・・。
ごちゃごちゃ書いても仕方ない。
ともかく、ショートベルのバリトンから噴出す
地鳴りのような音を聴け!
あ、写真はLow A付だった・・・。しまった笑
“With Eyes Wide Open”
ブルースからアフリカン、スローナンバーまで入っていてお得な一枚。
3曲目の”Monk&Wess”なんか、どアタマから「ブベブベ ブベブベーベレベっ」と、バリトンサックスはかくあるべき、てな具合のテーマが飛び出てきてギャハハと笑いがこみ上げてくる。
これだからモンクなのかと、妙に納得してしまう。
それが一転、5曲目のバラード”Song For Camille”になると、状況は一変する。
心の琴線に触れるメロディーというのは、掛け値なしにいい。
この曲はアルトやテナーではだめだ。バリトンでないと。
“Live At Village Vanguard”
ブルーイットのバリトンはアホみたいによく歌う。
全曲スローナンバーだが、当然単なる甘ったるいバラードブックではない。
バラードを吹いてもマリガンのようにはならないわけで、流麗さとかそんなヤワな表現とは無縁の、ひたすら男臭い演奏になる。
リズムセクションの好サポートも印象的だ。4曲目冒頭の4分半にも及ぶベースソロなど、途中から熱気むんむんである。
じっくり聴きたい方には強烈にオススメする。
*******************************************************************************
ブルーイット名義のアルバムはそこそこ多い。
なんでもかんでもオススメなわけではないし、前衛がベースのスタイルが好きかにもよる。
しかし、
これを聴かずに一体何を聴くというのか
失敬、少々興奮してしまった。
おしまい。
2010年12月2日木曜日
ジーン・アモンズのテナーバトル
ジーン・アモンズが好きと聞くと、
ん~、男だなあ、
と感じる。
←どこのギャングスタですか
コールマン・ホーキンスのような豪快な音色を持ち、レスター・ヤングに多大な影響を受けたプレイヤーだ。
ド派手が売りのテキサステナー(いわゆるホンカー)とは一味も二味も違う、いわば「シカゴ派」。
※シカゴ派にはフレッド・アンダーソンとかもいるが、それはまた今度。
コッテコテのクサさ満載、男気120%
加えて、サム・テイラー並みの、やらしいサブトーン。
極めて愛すべきテナーである。
そんなジーン・アモンズはキャリアの中でしばしばテナーバトルを演っており、これは注目しないわけにいかない。
"Boss Tenors"
61年録音、ソニー・スティットとのバトルモノ。
このころ既に2人はかなり有名だったが、仲がよかったらしく他にも何枚か2テナーバトルモノをだしている。
パーカーフレーズ炸裂のスティットにあおられ、さらにコテコテするアモンズが最高な一枚である。
定番曲”Blues Up And Down”でのチェイスは圧巻。
"The Chase!"
こっちはデクスター・ゴードンとのバトル。
デクスター・ゴードンはワーデル・グレイとのバトルが有名だが、実はジーン・アモンズとのバトルもコアなファンには有名らしく、ビリー・エクスタイン・オーケストラでは一緒にブリブリ吹いていた。
(その音源があるらしいが、持ってないんだこれが・・・。)
で、今回ご紹介するのは二人の
ひたすら暑っっっっ苦しいライブ盤である。
白熱しすぎて演奏はところどころ荒削り。客の「イェ~、ジャグ!」みたいな歓声がモロに録音されてて笑える。
※ジャグというのはジーン・アモンズのあだ名。何でこう呼ばれてたかは知らん。
デックスはバップ・フレーズを連発し、かなりキレている。
片や、肝心のアモンズのソロはところどころかなりテキトーで、これまた笑える。バンドの音量バランスもかなりテキトーだが、ライブの臨場感がバシバシ伝わって来る。
"Goodbye"
ついでと言っては極めて失礼だが、名盤「グッドバイ」も挙げておこう。何しろこれがアモンズの遺作になってしまったわけだからスルーはできまい。
ギルバート・オサリバン(古い!)の”Alone Again”を収録していて、コアなアモンズファンからは敬遠されたりするらしいが、んなこた知らん。
爽やかなポップスの超名曲が
うわ、臭っっっっさ!!
という演奏になってしまうのだから最高だ(笑)。
バップ・フレーズは練習すればある程度真似できるが、こういう譜面化不可能な
「フボッ、フボボボァ~~ん~」(?)
みたいな吹き方はそうそうコピーできない。
関連記事
ジョニー・グリフィンとエディ・ロックジョウ・デイビス/"Lookin’ At Monk"
デクスター・ゴードン(Ts)/"Daddy Plays The Horn"
ソニー・スティット/"Newyork Jazz"
☆次回をお楽しみに☆
ん~、男だなあ、
と感じる。
←どこのギャングスタですか
コールマン・ホーキンスのような豪快な音色を持ち、レスター・ヤングに多大な影響を受けたプレイヤーだ。
ド派手が売りのテキサステナー(いわゆるホンカー)とは一味も二味も違う、いわば「シカゴ派」。
※シカゴ派にはフレッド・アンダーソンとかもいるが、それはまた今度。
コッテコテのクサさ満載、男気120%
加えて、サム・テイラー並みの、やらしいサブトーン。
極めて愛すべきテナーである。
そんなジーン・アモンズはキャリアの中でしばしばテナーバトルを演っており、これは注目しないわけにいかない。
"Boss Tenors"
61年録音、ソニー・スティットとのバトルモノ。
このころ既に2人はかなり有名だったが、仲がよかったらしく他にも何枚か2テナーバトルモノをだしている。
パーカーフレーズ炸裂のスティットにあおられ、さらにコテコテするアモンズが最高な一枚である。
定番曲”Blues Up And Down”でのチェイスは圧巻。
"The Chase!"
こっちはデクスター・ゴードンとのバトル。
デクスター・ゴードンはワーデル・グレイとのバトルが有名だが、実はジーン・アモンズとのバトルもコアなファンには有名らしく、ビリー・エクスタイン・オーケストラでは一緒にブリブリ吹いていた。
(その音源があるらしいが、持ってないんだこれが・・・。)
で、今回ご紹介するのは二人の
ひたすら暑っっっっ苦しいライブ盤である。
白熱しすぎて演奏はところどころ荒削り。客の「イェ~、ジャグ!」みたいな歓声がモロに録音されてて笑える。
※ジャグというのはジーン・アモンズのあだ名。何でこう呼ばれてたかは知らん。
デックスはバップ・フレーズを連発し、かなりキレている。
片や、肝心のアモンズのソロはところどころかなりテキトーで、これまた笑える。バンドの音量バランスもかなりテキトーだが、ライブの臨場感がバシバシ伝わって来る。
"Goodbye"
ついでと言っては極めて失礼だが、名盤「グッドバイ」も挙げておこう。何しろこれがアモンズの遺作になってしまったわけだからスルーはできまい。
ギルバート・オサリバン(古い!)の”Alone Again”を収録していて、コアなアモンズファンからは敬遠されたりするらしいが、んなこた知らん。
爽やかなポップスの超名曲が
うわ、臭っっっっさ!!
という演奏になってしまうのだから最高だ(笑)。
バップ・フレーズは練習すればある程度真似できるが、こういう譜面化不可能な
「フボッ、フボボボァ~~ん~」(?)
みたいな吹き方はそうそうコピーできない。
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デクスター・ゴードン(Ts)/"Daddy Plays The Horn"
ソニー・スティット/"Newyork Jazz"
☆次回をお楽しみに☆
ラベル
・Dexter Gordon(Ts),
サックスバトル,
テナーサックス
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