なぜか紹介される機会が少ないように感じる『トランジション』。
だが、コルトレーンのアルバムの中で3本指に入る傑作と思う。
『至上の愛』と『アセンション』のちょうど中間に録音されたもの。モードからフリーに移行せんとする時期であり、本作もフリーではなくやたらとゴリゴリなモードといった雰囲気だ。
だが、そんな豆知識は聴けば簡単に吹っ飛ばされる。
表題曲「トランジション」のあまりに圧倒的な迫力。
このあたりの時期からコルトレーンの音色はさらに次の段階に達してるように思われる。
暴力的なまでに楽器が鳴り、よりエッジが立ち、密度はどんどん増していく。
疲れを知らない長尺ソロは延々と続く。一体いつまで吹く気なんだと。
そして、賛美歌のような美しさのバラッド「ディア・ロード」をはさみ、「組曲」に突入する。
これがまた何とも凄まじい。
マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズの各ソロがつながり、怒涛のテナーソロへ流れ込む。メロディックな超絶フレーズの嵐、フラジオ、フリーキートーンを連発しオーガズムへと上り詰める。そしてごく自然にテーマへと帰着。
こんな演奏をゼロから作り上げられる人間は他にいない。
なぜコルトレーンの死後10年も経ってから発表されたのか、まったくもってけしからん。
後期コルトレーンを敬遠している方にこそ聴いて欲しい一枚だ。
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ルイ・ベロジナス(Ts) / "Live At Tonic"
追悼マリオン・ブラウン
コルトレーン / シェップ "New Thing At Newport"
2012年4月13日金曜日
2012年4月8日日曜日
ジョン・ルーリー(ラウンジ・リザーズ)
ジョン・ルーリー率いるラウンジ・リザーズのファーストアルバムがこれ。
バンドとしては、正直上手いんだかヘタクソなんだかわからない。本人曰く「フェイク・ジャズ」だそうだ。
ともかくルーリーのアルトはヨレヨレ。楽器はあまり鳴っていない。これはどう考えてもヘタクソなんだが、本人の吹きっぷりに迷いは感じられず。アート・リンゼイの好き勝手なノイズギターとなぜか上手いことかみ合っている。
『ハーレム・ノクターン』なんか、ろくすっぽソロも吹かないしおちょくってるように聴こえるのだが、オリジナル曲に顕著に見える「計算された適当さ」みたいなものがこのバンド独自のカラーなのだろう。
フリージャズのようなハチャメチャさはなく、かといってバップのような技量至上主義でもない。微妙にロックやニューウェーブの方向に寄ったインチキ臭い安っぽさが絶妙なかっこよさを生み出している。
ジャケットはイケてないが、名盤と思う。
ちなみにルーリーは映画俳優としてもその筋では有名らしい。見たことないのでわからんが・・・。
2012年4月3日火曜日
アルバート・アイラー/"Prophecy"
『スピリチュアル・ユニティ』録音の1ヶ月前に行われたニューヨークでのライブ盤である。
ライブということもあってか、録音はかなり適当。音質はスピリチュアル・ユニティより格段に悪い。
だが、ライブだけあって演奏はなんとも生々しく、楽器を通して肉声をそのままぶちまけたような吹き方だ。
聴いていて思うのは、アイラーは色々な音色を吹き分けられるプレイヤーだったということだ。
中音域の太さは王道テナーそのもの、Ghostのテーマではまるでチェロのようにも聴こえる。この演奏をするために余程練習したのだろう。
ライブということもあってか、録音はかなり適当。音質はスピリチュアル・ユニティより格段に悪い。
だが、ライブだけあって演奏はなんとも生々しく、楽器を通して肉声をそのままぶちまけたような吹き方だ。
聴いていて思うのは、アイラーは色々な音色を吹き分けられるプレイヤーだったということだ。
中音域の太さは王道テナーそのもの、Ghostのテーマではまるでチェロのようにも聴こえる。この演奏をするために余程練習したのだろう。
2012年3月24日土曜日
ルイ・ベロジナス(Ts) / "Live At Tonic"
ルイ・ベロジナス(Louie Belogenis)のライブ盤。
コルトレーンやアイラーに強く影響を受けているプレイヤーで、他にも『メディテイションズ』とか『ベルズ』(まんまじゃん・・・)というアルバムを出している。
実はジョン・ゾーンの勉強仲間でもあったらしい。
コルトレーンやアイラーに強く影響を受けているプレイヤーで、他にも『メディテイションズ』とか『ベルズ』(まんまじゃん・・・)というアルバムを出している。
実はジョン・ゾーンの勉強仲間でもあったらしい。
2012年3月20日火曜日
ジョン・サーマン/ "The Trio"
「問題児ジョン・サーマン」というタイトルでバリトンサックス。買わないわけにはいかない。
英国フリージャズサックスの雄、ジョン・サーマンの名作『ザ・トリオ』である。
メンバーは
ジョン・サーマン(Bs,Ss,B-cl)、
バール・フィリップス(Ba)
スチュー・マーティン(Ds)。
フリージャズではあるが完全なフリーインプロヴィゼーションではなく、各曲にはやたらとかっこいいテーマが提示される。
バリトンで演ったプログレと言ったほうが適切か。
CDで2枚組み。一気に聴くのはしんどいかと思いきや、まったく飽きない。
英国フリージャズサックスの雄、ジョン・サーマンの名作『ザ・トリオ』である。
メンバーは
ジョン・サーマン(Bs,Ss,B-cl)、
バール・フィリップス(Ba)
スチュー・マーティン(Ds)。
フリージャズではあるが完全なフリーインプロヴィゼーションではなく、各曲にはやたらとかっこいいテーマが提示される。
バリトンで演ったプログレと言ったほうが適切か。
CDで2枚組み。一気に聴くのはしんどいかと思いきや、まったく飽きない。
2012年3月11日日曜日
スリー・バリトンサクソフォン・バンド/ "Plays Mulligan"
ニック・ブリグノラ、ロニー・キューバー、ゲイリー・スマリアン
という現代最高峰のバリトン奏者3人が一同に会し、マリガンに捧げて吹きまくるという、なんともしびれる一枚。バリトン好きにはたまらない。
パーソネルを見ると、ふむふむピアノレスか。ここらへんはマリガンへのオマージュか?
ジャケットもナイトライツっぽいし…。
しかしながら、3人とも音はブリブリ。
誰もマリガンの真似なんかしていない笑。ウェスト・コースともへったくれもない。
各プレイヤーのソロ・アルバムを聴いて「この人音はやっぱこうだよナ~」などと知った口を利いたりしたが、こうして3本並べられると
正直まったくわからない。すいませんでした。
という現代最高峰のバリトン奏者3人が一同に会し、マリガンに捧げて吹きまくるという、なんともしびれる一枚。バリトン好きにはたまらない。
パーソネルを見ると、ふむふむピアノレスか。ここらへんはマリガンへのオマージュか?
ジャケットもナイトライツっぽいし…。
しかしながら、3人とも音はブリブリ。
誰もマリガンの真似なんかしていない笑。ウェスト・コースともへったくれもない。
各プレイヤーのソロ・アルバムを聴いて「この人音はやっぱこうだよナ~」などと知った口を利いたりしたが、こうして3本並べられると
正直まったくわからない。すいませんでした。
2012年3月8日木曜日
メイヤーのアルトマウスピース(現行品)
マウスピースは何を使うか。これにこだわるのはサックス吹きの性みたいなものだ。
特にヴィンテージを追い求める人は多い。
たしかに現行品とはそもそも材質が違うし、抜群な音が出せるものもあると聞く。
しかし如何せんあまりに高価だ。高すぎる。
ニューヨーク・メイヤーだと10万円くらいはざらだ。しかも、ただ古いだけのろくでもないものも混ざっている。
であれば、実用に問題のない現行品をよく選んで買ったほうがいい。十分事足る。
メイヤーでいえば、現行品は1万円。選んで買って別の店でまた選んで前買ったやつを売って…、を繰り返してもトータルの支出は2万円くらいで収まるだろう。
浮いた金でプロのレッスンを受けたほうが余程効率的じゃなかろうか。
写真は知人から拝借している6MMの現行品。サイドレールの幅は均一で、きれいなバッフルが少し付いている。
まったくバッフルのないスポッと落ちていくような形より、音は幾分明るい。
フラジオの当たりも遜色ない。ファズトーンも問題なく出る。
最近巷に出回っているヴィンテージ復刻系(?)のマウスピースとも吹き比べたが音色、鳴りともに劣るとは感じなかった。
※ニューヨーク・メイヤーやらブラザーズやらと吹き比べたことはないので、そこはぜんぜんわかりません。
1本2~3万円するハイエンドマウスピースと比べても、コストパフォーマンスの点でも十分なのではないか。
さらにいえば、ヴィンテージだろうが現行品だろうが求めるポイントは同じなのだ。
・上から下まで均一に鳴るか
・最低音、最高音がピアニッシモで出せるか
・好みの音色か
・そして何より、吹くときにストレスを感じないか
音色の好みはあれど、要件を満たすならば現行品でもまったく問題ない。
有効な選択肢と思が、いかがでしょう?
特にヴィンテージを追い求める人は多い。
たしかに現行品とはそもそも材質が違うし、抜群な音が出せるものもあると聞く。
しかし如何せんあまりに高価だ。高すぎる。
ニューヨーク・メイヤーだと10万円くらいはざらだ。しかも、ただ古いだけのろくでもないものも混ざっている。
であれば、実用に問題のない現行品をよく選んで買ったほうがいい。十分事足る。
メイヤーでいえば、現行品は1万円。選んで買って別の店でまた選んで前買ったやつを売って…、を繰り返してもトータルの支出は2万円くらいで収まるだろう。
浮いた金でプロのレッスンを受けたほうが余程効率的じゃなかろうか。
写真は知人から拝借している6MMの現行品。サイドレールの幅は均一で、きれいなバッフルが少し付いている。
まったくバッフルのないスポッと落ちていくような形より、音は幾分明るい。
フラジオの当たりも遜色ない。ファズトーンも問題なく出る。
最近巷に出回っているヴィンテージ復刻系(?)のマウスピースとも吹き比べたが音色、鳴りともに劣るとは感じなかった。
※ニューヨーク・メイヤーやらブラザーズやらと吹き比べたことはないので、そこはぜんぜんわかりません。
1本2~3万円するハイエンドマウスピースと比べても、コストパフォーマンスの点でも十分なのではないか。
さらにいえば、ヴィンテージだろうが現行品だろうが求めるポイントは同じなのだ。
・上から下まで均一に鳴るか
・最低音、最高音がピアニッシモで出せるか
・好みの音色か
・そして何より、吹くときにストレスを感じないか
音色の好みはあれど、要件を満たすならば現行品でもまったく問題ない。
有効な選択肢と思が、いかがでしょう?
2012年2月15日水曜日
ソニー・スティット / "Sonny Stitt"
言わずと知れた名盤を紹介したって仕方ないという意見もあるだろうが、いいものはいいんだから仕方ない。
文句なく満場一致、ソニー・スティットの名盤である。
アルバムタイトルからしてすばらしい。何しろ自分の名前だけなんだから。
「山田太郎」というアルバムがレコード屋で売られているようなものである(山田太郎さんて方いらしたらすみません)。
ジャケットも、まあどうなんだろうか…。血管浮きすぎである。
文句なく満場一致、ソニー・スティットの名盤である。
アルバムタイトルからしてすばらしい。何しろ自分の名前だけなんだから。
「山田太郎」というアルバムがレコード屋で売られているようなものである(山田太郎さんて方いらしたらすみません)。
ジャケットも、まあどうなんだろうか…。血管浮きすぎである。
ラベル
・Sonny Stitt (as),
アルトサックス
2012年2月10日金曜日
片山広明 / "そーかなあ"
まったく何て音を出すんだこの人は・・・。
酔いどれモンスター・テナー、片山広明さんである。
タイトルからして人を喰っている。『そーかなあ』、どーかなあ、とでも言えというのか(笑)。
個人的には渋さ知らズでの演奏よりも、少人数グループの片山さんの方が好みだ。
男気溢れる重量級テナーサウンドを思い切り浴びたいではないか。
古澤良治郎(ドラム)、望月英明(ベース)、加藤崇之(ギター)というパワフルなリズムセクションに乗ってテナーが暴れまくる。
フリージャズ独特の難解さはなく、うるさくてデタラメで最高に楽しい「片山ワールド」に引き込まれる。
酔いどれモンスター・テナー、片山広明さんである。
タイトルからして人を喰っている。『そーかなあ』、どーかなあ、とでも言えというのか(笑)。
個人的には渋さ知らズでの演奏よりも、少人数グループの片山さんの方が好みだ。
男気溢れる重量級テナーサウンドを思い切り浴びたいではないか。
古澤良治郎(ドラム)、望月英明(ベース)、加藤崇之(ギター)というパワフルなリズムセクションに乗ってテナーが暴れまくる。
フリージャズ独特の難解さはなく、うるさくてデタラメで最高に楽しい「片山ワールド」に引き込まれる。
ラベル
・片山広明(Ts),
テナーサックス,
フリージャズ/アバンギャルド,
日本ジャズ
2012年2月4日土曜日
フリージャズ大祭 "インスピレーション&パワー14"
昭和48年(1973年)、2週間にわたって新宿で行われた前衛・実験音楽の祭典。14日間のうち8グループの演奏を編集・収録したドキュメント録音である。
反体制運動の陰りとともに、日本フリージャズの勢いも衰えが見え始めた時期であったらしい。
このままジリ貧になる流れを打開すべく、副島輝人氏の呼びかけによってこのフリージャズ祭りは催された。
収録されたグループは以下の通り。
宮間利之とニュー・ハード
吉沢元治ベースソロ
沖至クインテット
ナウ・ミュージック・アンサンブル
富樫雅彦・佐藤允彦デュオ
高柳昌行ニュー・ディレクション・フォー・ジ・アーツ
がらん堂
山下洋輔トリオ
反体制運動の陰りとともに、日本フリージャズの勢いも衰えが見え始めた時期であったらしい。
このままジリ貧になる流れを打開すべく、副島輝人氏の呼びかけによってこのフリージャズ祭りは催された。
収録されたグループは以下の通り。
宮間利之とニュー・ハード
吉沢元治ベースソロ
沖至クインテット
ナウ・ミュージック・アンサンブル
富樫雅彦・佐藤允彦デュオ
高柳昌行ニュー・ディレクション・フォー・ジ・アーツ
がらん堂
山下洋輔トリオ
ラベル
・宮間利之とニューハード,
・山下洋輔,
オムニバス,
フリージャズ/アバンギャルド,
日本ジャズ
2012年1月27日金曜日
クローゼのエチュード
今日は練習の話でも。
ともかく社会人は例外なく忙しい。
限られた練習時間をどう使うかは最大の課題といってもいい。
上手くなりたい一心抑えがたく、となれば必然的にやりたいことは山積する。
倍音練習での音色作り、譜面の練習、曲のコピー、アドリブに必要な理論の習得、コードとスケールへの反応速度向上…etc、
が、当たり前も当たり前な話だが、基礎練習はやはり大事なのだ。
曲の練習をやりたい気持ちをグッと抑え、クラシックのエチュードをシコシコ練習する。
足で適当にリズムを取ったりせず、必ずメトロノームを使う。自分が何のキーのスケール練習をしているのか考えつつやる。
すると、技量の未熟さが露見する。これは結構つらい作業だ。
音の立ち上がりが悪い、疲れると音が潰れる、運指とタンギングが合わない、やたらと走る、苦手な運指は極端に出来ない…etc。
1ページなど容易に進まない。
もーーうんざりだ、やってられん!となっても我慢してやる。これが演奏の基礎体力になり、ひいては周囲をねじ伏せるアドリブソロにつながっている。
パーカーでさえ、ド下手くそな時にこういう練習をやっていたはずなのだから。
ともかく社会人は例外なく忙しい。
限られた練習時間をどう使うかは最大の課題といってもいい。
上手くなりたい一心抑えがたく、となれば必然的にやりたいことは山積する。
倍音練習での音色作り、譜面の練習、曲のコピー、アドリブに必要な理論の習得、コードとスケールへの反応速度向上…etc、
が、当たり前も当たり前な話だが、基礎練習はやはり大事なのだ。
曲の練習をやりたい気持ちをグッと抑え、クラシックのエチュードをシコシコ練習する。
足で適当にリズムを取ったりせず、必ずメトロノームを使う。自分が何のキーのスケール練習をしているのか考えつつやる。
すると、技量の未熟さが露見する。これは結構つらい作業だ。
音の立ち上がりが悪い、疲れると音が潰れる、運指とタンギングが合わない、やたらと走る、苦手な運指は極端に出来ない…etc。
1ページなど容易に進まない。
もーーうんざりだ、やってられん!となっても我慢してやる。これが演奏の基礎体力になり、ひいては周囲をねじ伏せるアドリブソロにつながっている。
パーカーでさえ、ド下手くそな時にこういう練習をやっていたはずなのだから。
2012年1月8日日曜日
日野元彦カルテット feat. 山口真文(Ts) / "流氷"
文句なしの大名盤である。これを聴いてかっこいいと思わない奴に用はない。
つくづくスリー・ブラインド・マイスはさすがだなぁと思わされる。しかし、なぜこの名盤をちゃんとCD化しないのか。まったくもってけしからん。
1976年2月に根室市民会館で行われたライブの実況録音である。
とりあえず今では考えられない面子がそろっている。
日野元彦(ドラム)、渡辺賀津美(ギター)、井野信義(ベース)、清水靖晃(テナー、ソプラノ)、そしてゲストに山口真文(テナー)。
す、すげぇ・・・。
表題曲「流氷」はモード一発の曲だが、キメの印象的なテーマが一気に興奮を誘う。ここで2テナーのソロが炸裂する。
山口真文さんはさすがの落ち着きぶりだ。熱気を孕んだフレーズの中にもどっしりとした貫禄が感じられる。次が清水靖晃の激情的なテナー。ファズトーンから一気に駆け上がり、コンテンポラリーな速射砲フレーズを吹きまくる。この時若干20歳。若さゆえの饒舌さなのか。
二人の演奏は、言うなれば「静」と「動」のテナー。それを煽る日野さんのまるでロックのようなドラム。これは必聴である。
スタンダード"Soultrain"も収録しているが、これは山口さんのテナーをフィーチャリングしている。
渋すぎる。こんないい音で吹くことが出来たらどんな気持ちだろうか。
武田和命さんの名演とはまた違った味わいがある。
レコードでも中古屋で見つけたら即買いすべき一枚だ。借り物でない日本ジャズのパワーと熱気が詰まっている。
関連記事
武田和命さん(テナーサックス) ”Gentle November”
今田勝/”ナウ!”(サックス:三森一郎)
つくづくスリー・ブラインド・マイスはさすがだなぁと思わされる。しかし、なぜこの名盤をちゃんとCD化しないのか。まったくもってけしからん。
1976年2月に根室市民会館で行われたライブの実況録音である。
とりあえず今では考えられない面子がそろっている。
日野元彦(ドラム)、渡辺賀津美(ギター)、井野信義(ベース)、清水靖晃(テナー、ソプラノ)、そしてゲストに山口真文(テナー)。
す、すげぇ・・・。
表題曲「流氷」はモード一発の曲だが、キメの印象的なテーマが一気に興奮を誘う。ここで2テナーのソロが炸裂する。
山口真文さんはさすがの落ち着きぶりだ。熱気を孕んだフレーズの中にもどっしりとした貫禄が感じられる。次が清水靖晃の激情的なテナー。ファズトーンから一気に駆け上がり、コンテンポラリーな速射砲フレーズを吹きまくる。この時若干20歳。若さゆえの饒舌さなのか。
二人の演奏は、言うなれば「静」と「動」のテナー。それを煽る日野さんのまるでロックのようなドラム。これは必聴である。
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渋すぎる。こんないい音で吹くことが出来たらどんな気持ちだろうか。
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ラベル
・日野元彦(Ds),
スリー・ブラインド・マイス,
テナーサックス,
日本ジャズ
2011年12月31日土曜日
阿部薫 / "Overhang Party"
若くして亡くなったアーティストは、死後神格化されることが多い。死ぬことによって伝説が完成されるのだろう。
阿部薫も当然そうなった。謎めいた言葉や語り草になったエピソードは山のように紹介されている。伝説の大安売りなわけだ。
そういう話を知ってからレコードを聴くと勝手な先入観で、いいと思っていなくても素晴らしいとか思い込んでしまうのだから厄介なのだ。
だが、それを差し引いても、阿部薫のアルトはすさまじい。
ラベル
・阿部薫(As),
アルトサックス,
フリージャズ/アバンギャルド,
日本ジャズ
2011年11月26日土曜日
ズビグニエフ・ナミスウォフスキ・カルテット / "Polish Jazz"
Zbigniew Namyslowski⇒ズビグニエフ・ナミスウォフスキ
この読み方でいいのか・・・?まあカタカナの限界だろう。
日本ではマイナーどころか欧州ジャズ・マニアしか知らないのではないかという、
ポーランドのパーカー派アルト奏者である。
ソ連のジャズを探していて偶然見つけたのだが、これが大層かっこいいもので物凄く得した気分になってしまった。
鳴りきった「これぞアルト!」という音色で吹きまくるのだが、フレーズにはパーカーのイディオムはあまり登場せず、曲もバップとは異なる。
ポーランド人たるアイデンティティから来る独特さなのか知らんが、美しくも変な曲が満載でまったく飽きない。ロマの音楽のようなスケールも聴こえるような気がする・・・。
オーネット・コールマン等から影響を受けたのだろうか?7拍子、9拍子なんてのはざらなのだが、聴いていてノれるのが不思議だ。
本作は1966年ワルシャワでの録音だが、当時のポーランドはまだ共産圏だった。
そのころの様子はまったく知らないが、ソ連の支配下にあったということであるから言論・文化への弾圧は推して知るべしである。
そんな中でもこうしたニュー・ジャズを演奏した人たちがいたことに、私は感動を禁じえないのだ・・・。
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フレデリック・クロンクヴィスト(As)/"Maintain!"
この読み方でいいのか・・・?まあカタカナの限界だろう。
日本ではマイナーどころか欧州ジャズ・マニアしか知らないのではないかという、
ポーランドのパーカー派アルト奏者である。
ソ連のジャズを探していて偶然見つけたのだが、これが大層かっこいいもので物凄く得した気分になってしまった。
鳴りきった「これぞアルト!」という音色で吹きまくるのだが、フレーズにはパーカーのイディオムはあまり登場せず、曲もバップとは異なる。
ポーランド人たるアイデンティティから来る独特さなのか知らんが、美しくも変な曲が満載でまったく飽きない。ロマの音楽のようなスケールも聴こえるような気がする・・・。
オーネット・コールマン等から影響を受けたのだろうか?7拍子、9拍子なんてのはざらなのだが、聴いていてノれるのが不思議だ。
本作は1966年ワルシャワでの録音だが、当時のポーランドはまだ共産圏だった。
そのころの様子はまったく知らないが、ソ連の支配下にあったということであるから言論・文化への弾圧は推して知るべしである。
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2011年11月10日木曜日
コルトレーン / シェップ "New Thing At Newport"
ニューポート・ジャズフェスのライブ盤。
コルトレーン名義のアルバムとして紹介されることが多いが、収録された5曲中コルトレーンは1曲だけであとはシェップ(そういや新しいCDでは収録曲増えてんだったっけ。まあいいか)。
しかも二人が共演してるわけでもない笑。
なんでこんな形式にして売り出したのかよくわからん。まあ、内容は好きだからいいんだが。
それにしてもシェップは楽器が上手くない。というかヘタである。コルトレーンと比較するともろにわかってしまう。
しかも1曲しか入っていないコルトレーンの曲はエグい"One Down,One Up"。
これはたまらなく格好よすぎる。あふれ出る爆発的なフレーズは圧倒的で、なんだかシェップが気の毒になってしまう。
が、シェップの出来が決して悪いわけではなく、「モソモソ、ギョェエ、モソモソ」というような独特のブツ切りシェップ節が疾走するトレーン・ワールドと対照的でなんとも楽しい。
←兄貴分のコルトレーンを一切真似しないシェップの男らしさに敬意を表し、裏ジャケも載せとこう。
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思い出のアーチー・シェップ/"Attica Blues"
2011年11月4日金曜日
10,000Hit記念! ペーター・ブロッツマン・トリオ / "For Adolphe Sax"
「サックス界のヘラクレス」(?)という、よくわからない異名をつけられた、ドイツの轟音サックス奏者ペーター・ブロッツマン。
本作は1967年録音、ブロッツマンの処女作である。
サックスの開発者アドルフ・サックスに捧げるというタイトルだが、当のサックス氏がコレを聴いたら腰を抜かすだろう。「俺の作った楽器をこんな使い方しちゃうのかよ・・・。」てな具合に。
↑ブロッツマンは自身のレコードのジャケットアートを自ら製作しているという。美大出身なので得意だったのだろうか。このジャケも単純かつ地味だが、曲の世界観をそのまま映しているように思う。
誰が言い出したんだか知らん「ヘラクレス」などという異名は安っぽいにもほどがある。
が、玉石混交、数多のプレイヤーがひしめくフリー・ミュージック界において、屹立する巨人であることに間違いはなかろう。
本作は1967年録音、ブロッツマンの処女作である。
サックスの開発者アドルフ・サックスに捧げるというタイトルだが、当のサックス氏がコレを聴いたら腰を抜かすだろう。「俺の作った楽器をこんな使い方しちゃうのかよ・・・。」てな具合に。
↑ブロッツマンは自身のレコードのジャケットアートを自ら製作しているという。美大出身なので得意だったのだろうか。このジャケも単純かつ地味だが、曲の世界観をそのまま映しているように思う。
誰が言い出したんだか知らん「ヘラクレス」などという異名は安っぽいにもほどがある。
が、玉石混交、数多のプレイヤーがひしめくフリー・ミュージック界において、屹立する巨人であることに間違いはなかろう。
2011年10月28日金曜日
竹内直(Ts,Fl) / "Live At Star Eyes featuring 後藤浩二"
サキソフォビアでも有名な竹内直さんのライブ録音。5曲中オリジナルは1曲だけだが、そんなことは関係ない。これは本当に素晴らしいアルバムだ。
オープニングを飾る"Dennis Charles"は竹内さんのオリジナル。名刺代わりの曲だそうで、5拍子がなんとも心地よい。少しかすれたようなテナーが軽快に響く。
そしてなにしろグッと来たのが2曲目"Mission"。
曲名からは想像しづらいが、ポップスでも通用するようなわかりやすく綺麗なコード進行が耳に心地よい。実はヤン・ガルバレク作曲らしい(へぇー・・・)。
図らずも感傷的な気分になってしまう、たまらん曲なのだ。
美しいメロディーをテナーが淡々と吹き、後藤浩二さんのメロディックなピアノソロが続く。
ゲストのソロでテーマに戻るか?と思いきや、竹内さんのテナーが爆発。メロディアスなソロにフリーキー・トーンが重なり、どんどんテンションが上がっていく。
息を呑む圧巻のソロである。
あれ、2曲目のことしか書いてなかった・・・。
ともかく聴いてみることをオススメする。
メジャーとはいえないかもしれない。が、疑問の余地なく傑作といえるアルバムである。
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武田和命さん(テナーサックス) ”Gentle November”
太田邦夫クインテット/"My Back Pages 俺たちの青春"
5,000Hit記念!森山威男カルテット/"Hush-a-Bye"(サックス:小田切一巳)
オープニングを飾る"Dennis Charles"は竹内さんのオリジナル。名刺代わりの曲だそうで、5拍子がなんとも心地よい。少しかすれたようなテナーが軽快に響く。
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ゲストのソロでテーマに戻るか?と思いきや、竹内さんのテナーが爆発。メロディアスなソロにフリーキー・トーンが重なり、どんどんテンションが上がっていく。
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2011年10月24日月曜日
ジョン・コルトレーン / "Dakar"
コルトレーンのレコードとしては比較的マイナーな「ダカール」である。
そもそもコルトレーンのリーダー作のようでいて実はそうではないのだ。
事情はよくわからんが何だかで出る予定だったレコードを、当時のコルトレーン人気に便乗してコルトレーン名義にすりゃ売れるだろうということでプレステッジが出し、コルトレーン初録音かと誤解され云々…。
よくわからんが、ともかくレコード会社のオトナな事情で出された一枚ということだろう。
こう書くとろくでもない内容だろうと誤解されそうだが、いわゆるコルトレーン・ジャズとはまた違ってなかなか面白い。
何しろコルトレーンとバリトン2本の共演なのだ。
もともとコルトレーンのテナーはパリッとしていてエッジがあり、ぶっといテナーとは別の色だが、バリトン2本に挟まれ、やたらと爽やかに聴こえてしまう。
特にペッパー・アダムスは説明不要の吹きっぷり。対してセシル・ペインは渋いんだかヘタなんだか正直イマイチではある。
コルトレーン自体が好きでなくても聴いて損はない(?)一枚、か。
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Charles Mingus / "Complete TownHall Concert"
Pepper Adams (Bs) / "Encounter!"
そもそもコルトレーンのリーダー作のようでいて実はそうではないのだ。
事情はよくわからんが何だかで出る予定だったレコードを、当時のコルトレーン人気に便乗してコルトレーン名義にすりゃ売れるだろうということでプレステッジが出し、コルトレーン初録音かと誤解され云々…。
よくわからんが、ともかくレコード会社のオトナな事情で出された一枚ということだろう。
こう書くとろくでもない内容だろうと誤解されそうだが、いわゆるコルトレーン・ジャズとはまた違ってなかなか面白い。
何しろコルトレーンとバリトン2本の共演なのだ。
もともとコルトレーンのテナーはパリッとしていてエッジがあり、ぶっといテナーとは別の色だが、バリトン2本に挟まれ、やたらと爽やかに聴こえてしまう。
特にペッパー・アダムスは説明不要の吹きっぷり。対してセシル・ペインは渋いんだかヘタなんだか正直イマイチではある。
コルトレーン自体が好きでなくても聴いて損はない(?)一枚、か。
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2011年10月8日土曜日
フレディ・レッド / "Shades Of Redd"
不出世のピアニスト、フレディ・レッドによる玄人好みな名盤である。
ジャッキー・マクリーン(As)
ティナ・ブルックス(Ts)
の2管がフロントという珍しい編成。
2管にテーマを吹かせるといっても途中からパート分けしており、楽器の音域を上手く使った仕掛けがなされている。
ハードバップ期の録音だが、どこか影を感じさせる雰囲気がいかにもレッドらしい。
1曲目"Thespian"、冒頭の2管による幻想的なテーマで「このアルバムはアタリだ」と確信させるものがある。
ブルックスの音の美しさが際立って聴こえるバラッド"Just A Ballad For My Baby"、エキゾチックなメロディが哀愁を誘う"Ole"。
こういう曲を聴くと、フレディ・レッドはメロディ・メイカーとして際立った才能を持っていたのだろうと思う。
レッドが残した作品は決して多くないが、その中でこの"Shades Of Redd"はアルバムとしてのまとまりもことさら素晴らしい。
ぜひ聴いていただきたい一枚だ。
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2011年9月29日木曜日
ミンガス / "Complete TownHall Concert"
また更新が遅れてしまった。
今回はミンガスのタウンホールコンサートである。
今回はミンガスのタウンホールコンサートである。
ビッグバンド・ファンの方々には苦手とする人がいるのも頷ける。
だが、メチャクチャな中に流れる摩訶不思議な調和とブルースがミンガスのカラーでもあり、「ジャズ」としてのおもしろさの一面であるともいえるだろう。
さてさて、終盤"In A Mellow Tone"でバリトン・ソロが出てくるのだが、これがなんとも普通にかっこよく、思わずコピーしてしまった。
バリトンはペッパー・アダムスとジェローム・リチャードソン。
ライナーノーツによれば、このソロはアダムスによるものらしい。
たしかに骨太なゴリゴリバリトンはアダムスの音と思われるが、しかしこの人ってこんなにレイドバックした吹き方したっけか・・・。
まあとりあえず気にしないことにしよう。格好良きゃなんだっていいのだ。
珍しいことは何もやってないが、コード進行に合わせた繰り返し系フレーズを使ったもっていき方が実にうまい。たしかに骨太なゴリゴリバリトンはアダムスの音と思われるが、しかしこの人ってこんなにレイドバックした吹き方したっけか・・・。
まあとりあえず気にしないことにしよう。格好良きゃなんだっていいのだ。
聴き取れるところは全部コピーしたが、アドリブの素材としても美味しいフレーズがいっぱいである。
さらにミンガス・ビッグバンドによくある、「譜面に書いてないフレーズをみんなで突然吹く」という技(?)が炸裂し、やかましくてソロが聴き取れない部分が多い。そういうバンドなので仕方ないのだが・・・。
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